龍のいる庭 青蓮院庭園

龍のいる庭 青蓮院庭園

知恩院のあとはお隣、青蓮院門跡のお庭を拝見。

これまで何度となくその前を通りながら、訪問するのは今回が初めての青蓮院、門跡寺院らしい格調高いお庭が見られるでしょうか。

龍のいる庭 青蓮院庭園

まず目にするのは写真の枯山水庭園、重森三玲によくあるような幾何学形態の庭園はあまり好みではないんですが、これはちょっと面白いかもしれません、どの世界にも優れた方はいるものです。

龍のいる庭 青蓮院庭園

メインの池泉庭園「泉水庭」は、まず華頂殿から眺めます。まだまだ寒いのでガラス戸が閉じられていますが、他の方がおられなくなってから開けてみて写したものが最初の写真。なるほど門跡と知っているからかもしれませんが、品よく感じるお庭です。

龍のいる庭 青蓮院庭園

向こう岸の中央の少し暗いあたりが滝石組で、もともと三尊石仕様だったものが改変されたとか、この庭も知恩院同様、長い歴史の中で様々な改変が行われてきたようです。

池は「龍心池」と呼ばれ、山と反り橋(跨龍橋)の間には、二千貫(約7500kg)にも及ぶという大きな石があります。中根金作氏は自身の著書でこれを「あたかも沐浴する龍の背が水面に見えているがごとき云々」と書き記し、池の名の由来に結び付けられているようですが、これには少し異論が。

龍のいる庭 青蓮院庭園

こちらは小御所からの眺め、残念なことにこの日は池の水がかなり濁っていました。

さきほどの異論ですが、龍の背と聞くと細長いものかと思いましたが、こちらから見ると意外にも全然細くなく龍の背に見えません。むしろ(ちょっとワニっぽいですが)首(顔)に見えませんでしょうか。

龍のいる庭 青蓮院庭園

ちょっと寄ってみるとこんな感じで、じっと見ていると奥の山の稜線が首に続いているように見えてきます。つまり、龍心池の龍はもっと大きくて、首が石で、身をくねらせた背中が山なのではないか。最初の写真に戻って横から見ても違和感ありません。

聞くところによると山は以前水に囲まれた中島だったとか、もしそうならより龍らしく見えてくるはずで、まさに龍の棲む庭園です。

龍のいる庭 青蓮院庭園

と、ひとり盛り上がったところで庭に降り、園路を進みます。個人的にはこのお庭、上のアングルが一番いい景色に感じました。手前側の護岸がちょっと控えめに見えますが元々の池は手前側とこれから進む奥にまで広がっていたそうです。

園路を北へ進むと、小堀遠州作と言われる「霧島の庭」があります。

龍のいる庭 青蓮院庭園

この辺りも以前は池で、中島で茶会が行われた記録もあるそうですが、明治初年の京都博覧会で仮の茶室が設けられた際に埋められてしまったのでしょうか、少々惜しい気もしますが、これまでにも改変があったのであれば、今後も改変があってもおかしくないとも言えます。

龍のいる庭 青蓮院庭園

上の写真は丘の上に立つ好文亭付近から写した青蓮院。好文亭を立てる際に削って出た土によって、龍心池の中島の北側が埋められてしまったのでしょうか。知恩院ほどの資料は見つかりませんでしたが、この辺りは歴史を掘り起こすと色々と楽しめそうです。

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