知恩院は方丈庭園だけかと思っていたら、こんな隠し球があったとは。
御香宮からおけいはんに乗って三条へ。この日(2019年2月14日)は5箇所の庭園を巡る予定で、2つめの目的地知恩院にやってきました。
方丈庭園だけではちょっと二の足を踏んでいたのですが、友禅苑なる庭園もあると聞き、俄然興味が湧いてきたというわけです。友禅苑入り口は国宝となった三門の脇にひっそりとあり、なるほどこれじゃ見落とします。
知恩院 友禅苑は、友禅染の始祖宮崎友禅生誕300年を記念して、1954(昭和29)年に改修造園されたものだそうで、写真の池泉庭と、茶室群、枯山水庭園の3つのバラエティが楽しめます。
入ってすぐにあるのが普陀落の池を中心とした池泉庭で、なかなかいい趣なんですが、高村光雲作の観音像がど真ん中にあるのはちょっといただけません、池の汀で十分じゃないかと思うのですが、ちょっともったいないです。
順路としては茶室群なんでしょうが、コレが見たくて来たもので、先に鹿野苑と呼ばれる枯山水を鑑賞します。全体の構成力が高く、いい景色です。
奥へ進んで振り返るとこれまたいい景色、東山の借景具合も秀逸です。あえて言えば手練れの職人がソツなくまとめ上げたようなちょっとヨソ行きな感じが、訴えかけてくるものを希薄にしている気もします。
庭全体の広さに対して各要素の大きさが比較的コンパクトなせいもあるんでしょうか、俯瞰して眺めているような印象を持ちます。それでもユルんだところはなく、穏やかでありながら緊張感が保たれているのは素晴らしい。
滝石組とその周りも全体の雰囲気とマッチして全く破綻がありません。ちょっとセレモニーホールにいるんじゃないかと錯覚しかけますが、それはそれで正解なのかもしれません。
最後は華麓庵や白寿庵を見て回ります。風情があっていいところですが、自分にはまだ露地は庭といえどジャンルが違うようで、よく分かりません。お茶をやればそれぞれの良さがもっと解ってくるでしょうか。
さて、お次は三門をくぐって知恩院のメインエリアの方へ参ります。