重森三玲庭園美術館

重森三玲庭園美術館

今回の旅行は、用事との兼ね合いや雨の予報でなかなか予定が決まりませんでした。


それでも大きな目標が3つあって、1つはたまたま京都御所の一般公開日と重なっているために御所を見ること、もう1つは奈良に足をのばして解体修理前の薬師寺東塔を見ること、そして最後のひとつが庭園を見ることでした。おおらかでロマンを感じさせる古建築を擁する奈良に対して、京都は建築ではかないませんが、素晴らしい庭園が数多くあります。

我が家でまじめに草取りをするようになってから少しずつ庭に興味を持ち、醍醐寺三宝院で感動してから少しずつ図書館で借りては書物を見ていました。気に入って購入したのも数冊あるんですが、その中の1冊、京都の写真で有名な水野克比古氏の写真集「京都名庭園」を眺め、大徳寺瑞峯院や東福寺光明院など「いやー、いいわぁ」と思ったのが重森三玲氏の手掛けたものだったんです。で、あれこれ調べているうちに見つけたのが「重森三玲庭園美術館」でした。

ここは、すぐ近くにある吉田神社の社家だった鈴鹿家所有のものを重森三玲が譲り受けて住んだもの、つまり重森三玲旧宅がそのまま美術館になったものです。予約制で通常11時からと14時からの2部制で、旅行5日前くらいに予約をしました。

重森三玲庭園美術館

さて当日、こだま号が京都に着くのが12時38分、四条烏丸駅近くにあるホテル「ヴィアイン」に荷物を預けても14時の部には余裕だろうと思っていたのが大間違い。桜の季節の週末の京都をアマく見過ぎていたようで、バスがいっこうに来ない&来てもノロノロ…。結局京大正門前のバス停に着いたのがちょうど14時、そこから美術館まで猛ダッシュ!したものの3分程の遅刻です。他の皆様ご迷惑をおかけしてスイマセンでした。

重森三玲庭園美術館

↑門をくぐって右の扉を入ると、もう眼前に素晴らしい世界が拡がっています。

重森三玲庭園美術館

↑茶室内の襖の意匠。ここの設計じたい三玲氏によるものだそうです。

重森三玲庭園美術館

↑茶室奥の中庭。毛越寺ばりの石組みがありますが、自分もこのような庭を作りたいものです。

今回はほぼ満員のお客さんが来ていたようで、約10名ずつ書院と茶室に分かれ、それぞれ解説を聞いて入れ替わります。自分の方は重森三玲氏のお孫さんでしょうか、重森三明(みめい…ではなくみつあき)氏が担当して下さいましたがお顔がソックリです。見た目の印象よりもお話好きの方のようで、一通りの解説が終わったあとも色々とお話を聞かせてくださいました。「知識も大切だけれど、庭に対しては頭より心の目で接して欲しい」といった内容の言葉が印象的でした。

ここの見学料は庭のみで600円、茶室込みだと1000円で決してお安くはないんですが、こうして直接お話を伺えることを考えると納得です。また、庭は生き物ですから手入れを怠るとてきめんにそれが現れてしまいますから、この美しい空間の維持に少しでも役立ってくれるなら有難いことです。

重森三玲庭園美術館

重森三玲氏の作品全てが好みではないかも知れませんが、ここのように苔が描く柔らかな曲線と、青石の持つ独特の色味や丸みが寺院庭園とはまた違った雰囲気を醸し出していて、何本か植えられている桜も、通常禅宗寺院の枯山水には見られないそうで、個人宅故の華やかさも併せ持っており、素晴らしいくつろぎの空間となっています。今回京都ではいくつものくつろぎ空間に出会いましたが、ここはその第1弾ですね。

重森三玲庭園美術館

美術館の後は桜に誘われて鴨川沿いを南下、疎水沿いに歩いて平安神宮、八坂神社と歩き、結局ライトアップ中の清水寺を見て烏丸のホテルまで歩き通しました。距離にして約10kmほどでしょうか、昼の猛ダッシュも含めて、日頃の運動不足をまとめて返上できました。

重森三玲庭園美術館

↑平家巡礼も忘れてませんよ。これは忠盛灯籠です。清水寺からの帰り、清盛の泉殿跡(何も残っていませんが)を通る時も意識して歩きました。
清水寺のライトアップは、ただでさえ混んでるところなのに…激混みでした。

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重森三玲庭園美術館」への3件のフィードバック

  1. 何時もお世話になっております。
    恐れ入りますが、台湾 華芸文化出版社の林と申します。
    宜しくお願い致します。

    弊社の「茶雑誌」はお茶関係の雑誌ですが、
    次期にて枯山水を紹介させて頂きたいですので、
    本ページの写真はご利用を頂けませんでしょうか。

    お忙しいところに申し訳ございませんが、
    宜しくお願い致します。

    1. 林郁方さま
      わざわざご連絡ありがとうございます。
      私の写真でお役に立てるのでしたら、ぜひ使っていただいて結構です。
      宜しくお願い致します。

      1. 何時もお世話になっております。

        ご返事を頂きまして、誠にありがとうございます。

        今後とも宜しくお願い致します。

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