瑠璃光寺 五重塔

いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」

岩国から乗った山陽自動車道を防府東ICで降り、山口市街を目指します。


山口には高速でも行けるのだが、けっこう迂回するので国道262号線、通称萩往還を北上する事にした。それにしてもこの防府、ユーノス500の生まれた防府工場が近いので、500で訪れたいと思いながらもついに叶わなかった場所だ。もはやフィエスタで行っても意味が無いのでそのまま萩往還を右折する。終始片側2車線の走りやすい道で、降りて正解だった。この頃より天気は快晴、多少風が強いもののまさにドライブ日和で、当初はまさか晴れの日があるとは思わなかったので余計に嬉しい。

いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」

山口市でのお目当ては日本三大名塔のひとつ、国宝の瑠璃光寺五重塔だ。
この五重塔はもともと1442(嘉吉2)年に大内盛見(もりはる)が応永の乱(1399年)で戦死した兄、大内義弘の菩提を弔うために、兄の建立した香積寺内に建てたと言われている。その後、1604年に香積寺は萩に移転、そのとき残された五重塔も後(1616年)に移転を計画されたが、住民の請願によって残される事になった。1690年、今度は瑠璃光寺が香積寺の跡地に移ってきたのを機に、五重塔も瑠璃光寺に属する事になり現在に至っている。
ちなみに五重塔を計画した大内盛見氏も、塔の完成を見る事なく1431年に戦死してしまった。

いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」

それにしても、この美しさはスゴい。よく手入された庭園や、バックの山との間に絶妙な緊張感を漂わせている。塔自身も檜皮葺の屋根が非常に味わい深く、深い軒と、ピンッと反り上がった優美な軒先、三重以上に高欄のない細身の塔身が特徴的。

それにしても厳島神社といい、錦帯橋、そしてこの五重塔といい、そのものもさることながら、周りの風景との緊張感がもたらす美しい調和はどうだろう。こういった文化財はぜひ建築だけでなく、そこから望める風景も一緒に保存したいものだが、そういった点で、今挙げた3つの文化財が大都市圏内になかった事は幸いだったと思う。(宮島は多少侵されているけども…)

いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」

瑠璃光寺の後はすぐそばの山口県庁に寄り旧県庁舎と旧県会議事堂を訪ねる。現庁舎はすぐ隣にあるのだが、旧庁舎を取り壊さなかった事は土地の事情に有利な地方であったことを差し引いても素晴らしい判断…だったのだが、元々は藩庁だったので、それを残してもらった方が…などと思わなくもない。ともかくもこのようにして新旧並べて残っているのはここと山形県だけらしい。

いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」

この、旧県庁舎と旧県会議事堂はともに重要文化財に指定されており、特に旧県庁舎は国会議事堂の大熊喜邦が設計に加わっているとか。月曜休館のために内部見学はできなかったが、守衛さんにいぶかしがられつつ、青海波号と写真を撮ってきた。

ここで昼時になったので、県庁なら安いランチにありつけるだろうと、県庁15階にある眺望抜群のレストランでちらし寿司を600円でいただきました。

いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」

山口もまだまだ見たいところがあるし、近くには萩や津和野、秋芳洞など目玉も多いのだが、あまり長居しすぎると平家巡礼の時間がなくなってしまうので、ここで打ち切り。
ただ、九州へは山口ICから中国道に上がらず、国道9号線を南下し、嘉川ICから山口宇部道路を使う事にした。中国道は帰りに使うからというのと、こちらの方が線形もいいし、交通量も少なそうなのでより安全と思ってのこと。

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いざ、壇ノ浦 その五「瑠璃光寺 五重塔」」への7件のフィードバック

  1. >>れいんさん
    なかなかクルマと一緒に撮ると言う行為が理解されなくて…。

  2. そういえば欧州フォードのケルン工場のあるケルンには訪れたことがあります

  3. >>れいんさん
    フィエスタもST前期はドイツ生産と言われてますからケルンなんでしょうか?いつか行ってみたいですね。

  4. GHIAを購入して間もない頃ディーラーの営業さんに「ケルン工場の産ですか?」と尋ねたら驚いたように「そうです!」と言っていました。車番でスペイン(バレンシア)産かドイツ産か確かめられるようなのですけどね。ケルンはケルン駅の構内から眺める大聖堂が圧巻でした。

  5. >>ドイツも行きたいんですが、予算もないですし、まだまだ国内で行きたいところがあるので、もうしばらくはお預けですね。

  6. ケルンに行ったのはフィエを買う前(フィエの存在を知らない頃)だったのですけどね…(笑)

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