庭が足りない!と感じて、鎌倉行きを思い立ちました。(2018.1.21)
本来ならお盆過ぎの帰省時に庭のひとつやふたつ見ているはずなんですが、昨年は7月と早目だったうえに、大雨でどこにもいけませんでした。なので、庭を見たのは5月の浅草寺以来かもしれません。
平家びいきの自分にとってカマクラはどうも敬遠しがちなんですが、じつはほぼ電車1本でいけてしまうお手軽な場所、いつでも渋滞しているイメージも手伝って、ひょいと電車で行ってみることにしました。
まず、北鎌倉駅で下車して向かったのは「明月院」です。この日は快晴で「旅日和」ではあるものの、強くて長い影が出て、庭園の写真はちょっとキビシめ。掲載にあたって何とか調整してみましたが、妙な雰囲気になってしまいました。
さて、明月院はあじさいで名高いお寺、庭園もこぢんまりとしていながら、瀟洒で趣があります。やはり冬は花が少なく、その分侘しさが立ってしまいますが、庭の背景から木の立ち方までなかなかの構成を見せるだけでなく、それぞれの石の表情、据え方もとてもいいと思います。
ここはお庭以外にも色々と見所があるのがいいですね、ついつい長居してしまいます。それにしても、鎌倉は本当にリスが多く、ここにもたくさんおりました。
さて次は、ちょっとバスに乗って浄明寺へ向かいます。ここには喜泉庵という茶室の前に庭が作られているのですが、お茶を飲まないと写真のように脇から見るような感じとなります。
キチンと茶室から見てみないとわからないけれど、ちょっと散漫な印象を持ちました。そもそも茶室の庭は自分が求めているものと趣が違うケースが多いので、これがそのまま庭の評価というわけではないんですけども。でも飛び石ってのは難しいですよね。
浄明寺からバスで海岸の方に向かって移動し、この日最後に訪れたのは光明寺さん。結構な威容のお寺で、その本堂を挟んで北に池泉庭園、南に枯山水庭園があります。
枯山水の方はそれなりのスペースがありますが、石も大きく、それを覆う刈り込みも結構なボリュームでちょっとくどくて大味な印象。雲形定規のような敷石が重森三玲チックです。
鎌倉は石を刈り込みで覆うやり方が主流なんでしょうか、石そのものはいいのもあるんですが、この大きさを活かしきれていないと言いますか、据え方ももう一工夫欲しいような気もします。
だいたい冬場は花がない分要素も減ってしまいますので、その分基本構成がクローズアップされてしまいます。実は今回、ここが一番期待してきていただけに、その分少し残念に感じたのかもしれません。
こちらは記主庭園と呼ばれる池泉庭園、小堀遠州の作庭という説もあるそうです。
今回は3箇所でタイムアップとなりましたが、機会があれば今度はもっと花のある時期にきてみたいですね。
庭めぐりの間、何も食べていなかったので鎌倉駅のコンビニでおにぎりを調達、帰りは横須賀線にたっぷり2時間近く乗ることからもグリーン車を奢ってみました。