真打登場!新型フォード・フィエスタ
Car

真打登場!新型フォード・フィエスタ

ついに2月1日にデビューする新型フィエスタに試乗してきました。


いやー、長かったですね。2007年にコンセプトカーのVERVE(下の画像)が登場した時は「ユーノス500を手放したのを早まったか!」と思ったものでしたが、2008年にニューフィエスタが発表されても音沙汰どころか、欧州ラインナップが撤退してしまい、7年もの間次期愛車の妄想は迷走に迷走を重ねていたものでした。

Ford VERVE

スズキのスイフトにマツダ・アクセラ、そして昨年末に登場したルノー・ルーテシアと、その一長一短を見比べては「どうも何かが欠けている感」が常に付いて回っていましたが、ついにそこへホットマゼンタ色の風車がシューッと飛んできて突き刺さりました。

真打登場!新型フィエスタ

再導入されたフィエスタは2008年デビューのあと、衝突時の歩行者保護基準の引き上げか何だったかをきっかけに大幅なフェイスリフトを受け、アストン風の顔に変わっていました。フェイスリフトってどうしてもオリジナルとテイストがズレますし、個人的な好みからすれば断然前の方が好きなんですが、一般へのアピール度はあがったかも知れません。ちょっとビジーですが、思ったよりうまく仕上がっていると思います。

真打登場!新型フィエスタ

新型フィエスタのデザイン上最大の特徴はそんな「顔」となりそうですが、個人的にはサイドウィンドウグラフィックかと思います。ここまで上部のウィンドウラインに勢いがあってシャープなクルマはなかなかなく、Bセグとなればなおさらです。微妙な曲率の変化が活きているわけですが、それに加えてリアエンド部のRや、タテ幅とのバランスも秀逸で、斬新なプロポーションをより引き立てています。メッキモールの太さや形状もいいですね。それとウィンドウのラインから繋がるボンネットのパーティングラインの処理は技アリだと思います。

FIESTA

ただ、今回1グレードのビクビク導入なおかげで、ちょっと残念なのが「フル装備状態のみ」という点。上の画像のようにエアロパーツはなくても十分いいスタイルなのに、強制的に装着されてしまいます。とくにリアスポはかなりでかくて、オプションにしてくれれば多少は安くなりそうなのにと思わずにはいられません。それでもパーツ自体はシャープでそれなりに練られた形状だと思いますし、サイドはフィエスタのちょっと腰高で走行時にヒョコヒョコ見えがちなのを抑える効果はありそうです。

それでも個人的にオートエアコンは不要ですし、オートヘッドライトはまだしも勝手にワイパーが動くのは迷惑なだけです。クルーズコントロールだけは長距離ドライブに威力を発揮してくれそうなので歓迎なんですが。

真打登場!新型フィエスタ

さて、インテリアですが、結果から言うと個人的にはルーテシアの方が好きです。質感はフィエスタの方が幾分高いと思いますし、シートもルーテシアに勝るとも劣らない出来、とくに腰のサポートが快感なんですが、全高の割に日除けのあたりが視界に入ってちょっと気にります。インパネの造形もクラスを考えればアリなんでしょうが、つやつやパネルも汚れが気になるのでちょっとどうかと思いますし、ルーテシアの方が視界と言うか見え方が良く、世界観もあって落ち着くんです。これはエクステリアにも言えることで、仕上げはフィエスタに軍配が上がりますがちょっと無機質で、一方ルーテシアは独特のいい雰囲気を持っているんです。フィエスタはシートにパイピングやカラーステッチを入れるだけでも違ってくると思いますが、とりあえず本国にある下半分がベーシュ仕上げのインテリアが選べるようになると、ズイブン良くなるんじゃないでしょうか。

真打登場!新型フィエスタ

肝心の走りですが、これは「素晴らしい!」のヒトコト。ディーラーのまわりをちょっと1周走っただけですが、間違いなく楽しく「もっと乗っていたい」という衝動に駆られました。1リッター3気筒ターボのEcoBoostエンジンは立ちあがりからトルクもりもり、と言っても意志に反して飛び出すということではなく、じんわり踏めば忠実に反応してくれます。ステアリングの反応と重さもちょうど良くて、日頃STに乗っているせいか、足回りも固いとは思いませんでしたが、路面の細かいコツコツを拾うのは装着されたアジアンタイヤの特性によるものでしょうか。抜群の静粛性も含めてとにかくバランスのいい仕上がりは特筆モノで、本国デビューから大幅に遅れての導入にはヤキモキしたものでしたが、これだけの商品力を前に一発で納得しました。通常試乗のあと自分の車に戻ると、慣れもあって「やっぱりこっちがいいなぁ」と思うものですが、今回は相当揺さぶられましたし、MTの導入が希望ですが「MTじゃなくてもいいかも」とさえ思ったものです。セレクトシフトは今回使いませんでしたが、こういう類いは最初だけでじきに使わなくなるんじゃないかと思っています。

真打登場!新型フィエスタ

これまで、次期愛車候補として上の画像の車種が挙ってきました。

スイフトはほんとうによく出来たデザインで、街で見かけるたびに「おっ」と思わされ、ラゲッジが極狭などのマイナスはあるもののいいクルマだと思います。ただ、これに買い替えるなら今のフィエスタSTを乗り続けた方がいいかなと思うのが正直なところです。

アクセラはマツダ贔屓としてはとても期待していて、アテンザよりも締まりがあっていいデザインそうだと思ったんですが、実物を見て少しなえてしまいました。マツダはデザインコンセプトに引っ張られ過ぎて基本的な造形が乱れてると思うんです。もちろん悪くはないんですが、これではアクばかりが目について、早晩飽きてしまいそう。ボディがでかすぎるのもイケマセンね。「デザイン表現のために1795mmもの全幅が必要だった」とデザイナーが言っているそうですが、制限の中で仕上げてこそデザインだと思うわけです。ただインテリアは最も秀逸だと思いますし、MT設定もあるだけに何とも惜しい。

真打登場!新型フィエスタ

ルノー・ルーテシアとはいまだに微妙な勝負です。前後の張り出しは初代アクセラの延長線上にあるものの、そのプロポーションの美しさは相当なものです。惜しいのは若干ムチムチが過ぎて弥七と言うよりは霞のお新ってな感じで多少大味なんです。最新のクルマと20年前のクルマを並べると、縮尺の違うモデルカーが並んでいるように見えますが、同様にフィエスタが1/24ミニカーならルーテシアは1/16のような感じに見えてしまいます。でも、前述のように座った感覚はこちらの方が好きですし、WRCよりも90年代F1を見ていたものとして「ルノー」のネームバリューには抗し難いものがあり、結局フィエスタが選ばれるとしたらランニングコストの点が大きいかも知れません。

真打登場!新型フィエスタ

本体のプライスでもフィエスタの方が3〜9万円ほど安いですが、中古のお得感では断然フォード車でしょう。購入後もフィエスタの方が燃費が良さそうですし、全長が4mに収まるのでフェリーも安く、恐らくですが故障率もフォードの方が低いんじゃないでしょうか。フォードはかみさんの同級生の方がいる限り安心して整備を任せられますし、円安と言えど伝家の宝刀「FordParts UK」を使えば国産車さえも下回る整備代を実現できちゃいますから、また10年15年と乗り続けることを考えると、フィエスタかな〜と言うところです。

とりあえず、4年販売されるとして、2017年モデルの2〜3年落ちを、次のフィエスタの出来を見つつ考える…というのが現実的なところかも知れません。そのころにはKaが20年になりますし。

真打登場!新型フィエスタ

AD

真打登場!新型フォード・フィエスタ」への2件のフィードバック

Ritz へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る