金閣寺

京都庭めぐりの旅 ~ 金閣寺

龍安寺の次は、1.5kmほど北東に位置する金閣寺(鹿苑寺)です。


十分歩いてもいける距離なんですが、フリーパスもあることですし、少しでも時間短縮のためにバスを利用します。ただ、バス待ちをしているほんの5分足らずの間に空が急速に暗くなり、金閣寺の参道を歩く頃にはすっかり暗くなってしまいました。

金閣寺も朝のうちが写真を撮りやすい光線状態なんですが、これではほとんど意味ありません。確かに快晴よりは薄曇りくらいの方が建築や庭の写真は撮りやすいんですが、ここまで曇ってしまっては逆効果。

また、金閣寺の拝観は9時からのため、龍安寺に続いてこちらも朝イチ見学となるわけですが、入場口前にはすでに修学旅行生の列が…。どうも歳をとったのか、眺めてるうちに「おぅ、若者はいいのぅ~」と微笑ましく感じるようになってみたり。

金閣寺

さて、金閣寺には修学旅行とその後1度だけ訪れており、今回で3度目になりますが、相変わらず誰がどんなカメラで撮っても完璧に映ってしまう絵画のような光景を見せてくれます。これほどのハマり具合を見せてくれるのは金閣寺のほかに、山口県の瑠璃光寺あたりでしょうか。

ここ金閣寺(北山殿)造営のための義満による招集を守護大名で唯一拒否し、それが発端となって応永の乱で義満軍に討たれる大内義弘が建立した香積寺五重塔がのちに瑠璃光寺となり、こうして今も美を競い合っているのは興味深いことです。それぞれに建築の存在感もさることながら、それを引き立てる庭園の素晴らしさも見逃せません。

京都庭めぐりの旅 ~ 金閣寺

足利義満が鹿苑寺を造営する以前、この場所には西園寺公経が営んだ北山第とよばれる山荘があり、数多くの優れた堂舎や、美しい庭園が存在していたそうです。それらの多くは引継がれたと思われますが、現鹿苑寺の中核をなす舎利殿(金閣)と鏡湖池は、夢窓国師を崇拝して何度も西芳寺に足を運んだと言う義満のオリジナルのようです。

庭園は池泉舟遊式でもあり、池に浮かべた船からの観賞も考慮されてはいるけれど、やはり一番の特等席は金閣から。といっても建物に入れるはずもないので、その近くから眺めてみるのがオススメ。

写真左寄りに見える大きめの島は「葦原島」と言って、日本国を表すそうです。三尊石から右側の護岸石組がお見事。左端の首をもたげたような形の石は、幕府の重鎮として義満を補佐した細川氏から寄贈されたと言う細川石。

右手前に点在する石は「夜泊石」といって写っていない2個を合わせて4個あります。当初あったとされる舟屋の礎石で、船が港に停泊している様子を表すほか、実際の船をつなぎ留める役割も果たしたとか。その奥には九山八海石も見えますが、奥行き感の演出が秀逸で、ここからの景色はとてもいいですね。以前はもっと奥まで池が広がっていたそうです。

京都庭めぐりの旅 ~ 金閣寺

こちらは鶴島と亀島です。ここの庭園は松がノビノビとしている印象があってちょっと楽しい感じがします。

義満が日明貿易で得たと言われる石灰石の九山八海石がより大きく写っていますが、この角度だと形の特徴がちょっと伝わらないですね。右背後の三角の石は畠山氏寄贈の畠山石。

京都庭めぐりの旅 ~ 金閣寺

縦長の石は、義満が幼少の頃預けられたと言う播州赤松氏寄贈の赤松石、すこ〜しだけ毛越寺の石を連想させます。

ここのちょっと明るくて、様々な景観を見せる庭園はほんとうに眺めていて飽きないんですが、超名所ゆえに人も多く、ユックリと眺める場所がないのが難点、この庭園のルーツでありながら人の多さの点では対照的な西芳寺に行ってみたくなりました。苔寺と言えば、この日は作業員の方が貼り苔をしていました。ウチの庭もこんな苔を生やしてみたいものです。

ところで、金閣を北側から眺めている時に、妙な部分を見つけたんですが、そのお話はまた次回。


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京都庭めぐりの旅 ~ 金閣寺」への2件のフィードバック

  1. はい、家の庭は芝&苔になってます。
    花木がメインでは有りますが、その下は苔。

    苔むした庭は見た目はとてもイイですが、手入れがとても大変な物になります
    夏になると高温と乾燥で茶色になって枯れてるみたいで・・・
    苔にも色々種類が有るので、混じっちゃうとみっともないし
    雑草の手入れも大変です、へたに歩き回ると禿げちゃうし
    苔の下はホドホドに湿っているのでミミズが増えるのは良いのですが
    それを狙って、モグラが出没。ボッコボコになります。

    しっとりした、ベルベットのような苔が一面に有るのはとても気持ちが良いですが
    雑草が攻めてきます。

  2. Ritzさん、
    うちも何度か拾ってきた苔を貼付けたりしてみたんですけど、モグラでますねー。雑草は苔がなくても生えてくるので、苔はある程度の雑草よけになるかと思ったんですが、かえってメンドクサイものなんですかねぇ?
    まあ、メンドクサイと言ってたら庭はやってけないんですけども…

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