平等院阿弥陀堂

平等院と姫路城、創建時の姿に酔いしれる

時を同じくして修理が完了しつつある平等院鳳凰堂と、姫路城大天守を見てきました。


いつもの帰省を利用し、今回は修理によって創建時に近い姿によみがえった、国宝であり世界遺産でもある平等院と姫路城を訪ねました。平等院は2012年9月より修理が始まり、尾廊など1部修理が残っているものの、今年4月に落慶法要が営まれ、翌日から拝観再開となったばかり。一方の姫路城は2009年10月から修理が始まって、現在なお一部の足場が残り、天守の見学は来年までズレ込むものの、6月に素屋根が解体されたばかりと、いずれも今しか見られないピッカピカの貴重な時期。これを見逃す手はない!と言うわけです。

今回、大阪までは一緒ですが、その後かみさんは特急くろしおで御坊へ、自分は関西で1泊した後に祖母2周忌で赤穂へと向かい、後日御坊で再び合流します。交通手段は電車・クルマあるでしょうけど、今後しばらくは毎年2回、このスタイルになるでしょう。

平等院鳳凰堂

平等院の拝観時間は朝8時半からと早く、しかも鳳凰堂を撮るには朝の光線が最適とあって、オープンと同時に乗り込むべく、前日の夜10時に余裕を持って出発したはず…なんですが、もうトシでしょうか、眠い眠いでSA各駅停車状態。結局30分遅れた9時過ぎに入りました。それでもこの日は9時半には曇ってきてしまったのでギリギリセーフです。

それにしても5年ぶりの平等院、まさに頼通が思い描いた極楽浄土の世界がそこに再現されていました。今までずっとこの姿が拝める事を心待ちにしていたので、夢が叶ったような心地です。屋根のそりも本当に優美で素晴らしい仕上がり。
ただ、これだけ優美な姿を見てしまうと、瓦と創建当初の板葺き以外はあり得ないんですが、法界寺のような桧皮葺きでより優しげな姿も見てみたいような気も。

平等院鳳凰堂

平等院鳳凰堂

端部の飾りによって「地円飛角」がより強調され、文様とともに軒下を華やかに演出。とくに組物の尾垂木につく装飾は3種類ほどあるようで、縦に連なった3枚はそれぞれ微妙に違っています。まさに多くの職人さんたちの努力の結晶が、1053年以来1000年近くに及ぶ木造建築に生命を吹き込み続けてくれていました。

やっぱり平安建築はいいですね、洛中ではことごとく消え去ってしまった平安建築、何度も書いていますが、日本の住宅史上重要な寝殿造を、いつか復元してほしい。以前は梅小路あたりにと思っていましたが、水族館ができ、鉄道博物館も計画されてしまった今、城南宮や鳥羽離宮公園あたりがいいんじゃないでしょうか。醍醐寺や法界寺と一緒に洛南で平安ワールドの形成も面白そうです。

姫路城

さて、所変わってこちらは姫路城、まだ大型クレーンが残っていますが、美しくよみがえった大天守が姿を現しています。お城は富士山と一緒で、不意にその姿が見えると晴れやかな気持ちになります。姫路の人々は素屋根がとれるのを一日千秋の思いで待ち続けていた事でしょう。
屋根にそびえる鯱は、唐招提寺解体修理の際に鴟尾制作で腕を振るった山本清一先生の手によるもの。そういえば平等院の瓦葺き替えの職人の方も山本清一さんに師事された方だそうです。

姫路城

まさに白いです。先ほどの鳳凰堂を見た時は「あ、赤い!」でしたが、今度は「し、白い!」です。まさに白鷺、武士の潔さに通づる清らかさでしょうか。それにしてもこれらの美しい国宝建築たちを見るにつれ思うのは「よくぞ残ってくれた」というもの、この姫路城大天守でも新しめとは言えすでに築城以来400年以上、数々の危機を乗り越えて今日までその姿を残してくれました。

最大の危機はやはり先の大戦中1945年7月の空襲でしょうか。同年5月から終戦の3ヶ月間に名古屋城、岡山城、和歌山城、大垣城、福山城、そして広島城が次々に焼失していく中、姫路城も例外ではなく、天守に焼夷弾が直撃したものの不発!炎上を逃れ、不発弾は城外に運び出され、処理されたそうです。

姫路城

こうして築城当時の美しさを拝めるのはまさに奇跡で、ありがたいこと。とくに厳島神社と並んでこの姫路城は小さい頃から何度も訪れてきた場所で、これからもできるだけ長くその姿をとどめてほしいものです。

姫路城の見学再開は来年3月27日とアナウンスされていて、当初はかなり混み合うかも知れませんが、落ち着いた頃にまた天守にも上がりたいですね。何しろ今しか見られない鳳凰堂と姫路城の滅多に見られないピッカピカ姿はおすすめです。きっといい思い出になるでしょう。

白鳥城

ところで姫路にはもうひとつお城があるので、お間違いのなきようご注意あれ。

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平等院と姫路城、創建時の姿に酔いしれる」への2件のフィードバック

  1. 平等院が改修工事していたのは気が付きませんでした、そのうち見にいかねば!
    白鷺城ならぬ、白鳥城ですね、社会福祉法人経営らしいけど・・・・赤字だろうね。

    1. ブログを書いた日くらいに尾廊の足場等が外されたみたいですね。ここは仏像もいいし、宝物館は見応えあるし最高っす。
      白鳥城はこれだけの建物を維持するだけでしんどそうですねぇ、城と言えば「ホテル川久」行きたいんですがなかなか行けずにおります。

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