京都3日目は魅惑のまち、伏見へ。
歴史があり、味わい深い建築や町並みがあって、さらに酒もある…。そんな伏見はまさに魅惑のまち。
愛車を町並みの中に置いて撮影もしたいが、それじゃ飲めない。それに意外と宿泊施設が少ないとあって、なかなか来られずにいましたが、ついに訪れることができました。
酒蔵を中心とした古い町並みがウリの伏見であっても、つい昨年、月桂冠の北蔵地区が再開発のために取り壊されたばかり。やはり行きたいところはどんどん行っておかないといけません。
さて、この日は嫁が一足先に和歌山へ向かうために京都駅にお見送り。その後近鉄電車で伏見入りしました。桃山御陵前で下車してまず向かったのは、駅からすぐの御香宮神社さん。
ここはカラフルな装飾や彫り物が楽しい神社ですが、お目当は小堀遠州が伏見奉行所内に作り、のちに中根金作が移築再現したとされる石庭。しかしなんと、正月間もないためかお休み!じつは御香宮神社には迎賓館にも非公開の庭園があり、別冊太陽だったかなんだかで良さげだったことから、あわよくば…と来てみたものの、一般公開の石庭すら拝めませんでした。
失意のまま敷地を通り抜けて毛利橋通を西へ。つぎに向かったのは蒼空を醸す藤岡酒造さん。
ここは自社の酒が有料試飲できるカウンターがあります。酒蔵はもともと雰囲気のあるところが多いので、敷地の片隅にこういったのがあるだけでも、とても魅力的だと思うんです。べつに忙しい折に蔵見学まではできなくても、こういったコーナーで試飲ができて、作り手の思いやフィロソフィーを聞きつつ飲めれば、楽しいし、訪れがいもあるというものです。
画像のように、この時のお客さんは地元の方おひとりだけでしたが、普段は混むらしく、こうして入れたのはかなりラッキーなんだとか。御香宮さんのご利益でしょうか?お客さんも交えて酒の話や、このあたりのおすすめグルメなどを聞くことができたのも、こういったところの利点です。
藤岡酒造さんは明治35年の創業ですが、3代目の急逝と震災によって廃業。その後、5代目の強い復興への思いから、2002年にわずか28石で再開、新たに「蒼空」と名付け、徐々に石高を伸ばしてきたそうです。
こういった蔵は復活蔵、復興蔵と呼ばれるそうですが、やはり志が高いだけあって旨い。伏見の大手蔵はなかなか興味の対象にはなりにくいんですがここは楽しみ、ちょっとお高いのがアレですが、7号酵母を試したりしてますし、ぜひまた飲んでみたいお酒です。
藤岡酒造さんを出て、酔い覚ましがてらてくてく歩いて向かったのは、松本酒造さん。ここのお酒は関東でも結構流通していて旨いんですが、蔵もいいですね。こうなると藤岡酒造さんのように試飲コーナーがあればと悔やまれます。川を挟んだお向かいには英勲の齊藤酒造さんもあるんですが、同様でじつにもったいない!と思いつつ、伏見のメインエリアへと移動します。
こちらはかつての蔵を資料館にした月桂冠大倉記念館を中心としたゾーン。資料館はなかなかよくまとめられていて、見やすく、面白いです。試飲コーナーで飲んだお酒は、残念ながらあまり美味しくはありませんでしたが、大手蔵ならではの役割を果たされているんじゃないでしょうか。
月桂冠大倉記念館のナナメ向かいには酒蔵、山本本家直営の「鳥せい本店」があります。こちらは試飲コーナーが大きく発展したもので、山本本家のお酒と、鶏料理が楽しめます。
伏見のまちは古の建物がそれぞれに利用されて賑わっているのがいいです。鳥せいは夕刻にもかかわらず結構な混雑でしたが、蔵を改装した店内はかなり広く、さほど待たされませんでした。
いただいたのは16時以降のメニューにある酒粕鍋。小さめのサイズながら770円と手頃な値段で楽しめます。もちろんこれだけではお腹いっぱいになりませんが、このあと藤岡酒造さんで教えていただいたスポットめぐりのために空けておかなくてはいけません。
そのひとつは伏見の商店街の中にある酒屋「油長」さん。こちらでは、ワインや日本酒のカクウチができます。
もともと量が飲めないだけに、こうして酒どころでいろいろ試せるのは嬉しい。でも選択を誤ったかどれもそれなりに美味しいのだけれど、もう一歩何か欲しい感じ。最初に「蒼空」飲んだのがいけなかったか。
そしておすすめスポット2つめがこちら。
酒粕ラーメンの玄屋さんです。結構な人気らしく、お昼に通った時には外にまで並んでいたので、夜までずれ込んでしまいました。店内に入ると酒粕の匂いが…。昔なら苦手だったかも知れませんが、今となってはすっかり食欲をそそられます。
出てきたラーメンはいかにも!って感じではなく、ほんのりと酒粕の香りが感じられて、じつに優しくまろやか。何よりこの日は相当寒かったので、もってこいの食事でした。
このように「日本酒」をいろんな形で楽しめる伏見、すっかり堪能しました。御香宮神社の庭園もあるし、またきっと来るでしょう。