佐賀の旅最終日はフライトの関係で、午前中で切り上げねばなりません。
8時には嬉泉館をチェックアウト、まずはお隣にある美肌の神様、豊玉姫神社へお参り。境内には白磁のナマズを祀ったなまず社があり、願をかけながら水をかけると、美肌になるそうな。
そして、お次は鹿島方面へと向かいます。塩田の街並など興味があったんですが時間がなく断念、その代わり41号線途中の八天神社に立ち寄ります。
ここは火の神様を祀る神社ですが、江戸時代に作られたという石造眼鏡橋があるとのこと。なるほど苔むした石橋はとても情緒豊かです。
それにしても、ダッシュ島でもこんな仕事を見たような気もしますが、このピッチリっぷりは尋常じゃありません。城の石垣を思えばさほどでもないのかも知れませんが、気持ちいいくらいのピッチリっぷりです。
八天神社からさらに15分ほど走ると祐徳稲荷神社に到着。鮮やかな極彩色に彩られた立体構成の社殿たちが壮観です。
ここに訪れる参拝客は年間約300万人と、九州では太宰府天満宮に次ぐそうですが、なるほど納得。
ここにも焼き物は浸透していて、楼門に収められている随神が有田焼仕上げのほか、壁面にも柿右衛門や今右衛門の大磁板がはめ込まれています。
本殿は昭和32年再建の3代目で、懸造部は鉄筋コンクリートですが、社殿は伊勢神宮造営局長の角南隆氏設計による木造総漆塗りだそうです。ところどころにあしらわれた絵や文様が目を楽しませてくれます。
祐徳稲荷神社には日本庭園もあるんですが、有料なのと、時間がないため、ここは切り上げて肥前浜方面へ。
古い街並みの残る肥前浜宿のあたりは江戸時代より酒造りが盛んで、一部酒蔵の密集した酒蔵通りがあります。車のため飲めないけれど、塩田の街並みにも行けなかったことから、せめて車で通っておこうと、他に車がないのをいいことにユックリ通過、なんとなく雰囲気だけは味わいました。
旅行はそうそう何度もいけないため、つい欲張って行動範囲を広げがちですが、結果的に時間が足りず、その都度積み残しができてしまい、悩ましいところです。今回は呼子や唐津を断念して相当絞ったつもりだったんですが、それでも再訪ネタがたくさんできてしまいました。
肥前浜宿からは海沿いに諫早方面へと南下、この季節、佐賀では絶対に外せない名物「竹崎牡蠣」を食らおうと牡蠣小屋を目指します。このあたりの海岸沿いは「たらカキ焼海道」と呼ばれ、牡蠣小屋が点在しますが、この牡蠣小屋自体、多良が発祥なんだそうです。
時刻は10時半、13時には空港に着かないとならないため、カキ焼海道の中でも最も北寄りの「大崎ドライブイン」を目指しますが、到着してもヒトの気配ゼロ。数日前に電話でオープン時間を確認したんですが、ユルいですね。
仮に今スタッフが到着したとしても炭起こしに時間がかかると思い、別の候補である「竹崎海産」へと移動、国道左側(海側)にあるものと思い込んでいただけに、逆側で意表を突かれましたが、無事営業していました。
まず注文したのはコレ。写っていませんが、これに帆立と海老がついて2600円!実は本来ヒオウギ貝がついているはずなんですが、残念ながらこの日はなく、代わりにサザエ増量となりました。
竹崎の牡蠣は、塩分控えめかつミネラル天国の有明海のおかげで、大きくなるのが早く、しかも濃厚な味が特徴と言われています。
結局2度も追加(9個1000円)を頼んで、牡蠣を食べまくりました。最初ご飯が欲しいかも…などと悠長な考えでいましたが、焼き始めるともう夢中で食べあさり、写真を撮るのも疎かになるほど。
唯一、さきほど通りがかっただけに日本酒と合わせられなかったのだけが残念でしたが、2017年、図らずも厚岸で始まり竹崎で締めるオイスターイヤーとなりました。
食べ終わったのが11時20分、ここから空港へと向かいますが、牡蠣とは合わせられなかったものの、せめてお土産に鍋島(日本酒)を買おうと、予め調べておいた「ありあけ酒店」に立ち寄ります。
鍋島を醸す富久千代酒造さんも目と鼻の先の肥前浜宿にあるんですが、蔵元さんでは見学も販売もしていないそうなんです。それに、購入したお酒といっしょに荷物も一緒に箱に詰めて宅配便で送ってもらうことで、身軽で帰ろうというわけです。
「鍋島」もひと頃よりは入手もしやすくなったようで、新酒にはわずかな差で間に合いませんでしたが、特別純米の生と、火入れの吟醸を購入できました。これでも正月も楽しめるというものです。
初のLCCによる佐賀旅行はこれにて終了。フライト時刻の都合で2泊ではあっという間でしたが、また格安時期を狙って、今度は3泊くらいで来てみたいところ。LCC使うなら松山あたりもいいですね。