福山に到着してレンタカーを借り、まず向かうのは明王院さん。
福山から鞆の浦に向かうにしても、尾道方面へ行くにしても、まずは国宝並び建つ明王院にお参りしないと始まりません。
明王院には9年ぶり2度目のお参りです。今でこそ巡礼の第一は庭園ですが、当時は五重塔で、美しいプロポーションのこの塔に憧れて来たものでした。
関東と違ってこちらのお寺は多くが「活きている」のがいいですね、以前と変わらずピリっとした空気感が清々しく感じられます。
もっとも14世紀からずっとこうして建っているお堂からすれば、9年前のことなど「ついさっき」のようなものです。
1959年から3年にわたって行われた修理工事には、西岡常一氏が参加されていたそうですが、法隆寺の回廊内のごとく塔とお堂が並んでいます。どちらも対比を楽しめますが、法隆寺がテイストが揃っているのに対し、明王院は本堂が禅宗様を取り入れた和洋折衷、五重塔は和様で様式の対比も楽しめます。
垂木萌えな写真ですが、軒下や柱の頂部に様式の違いが見て取れます。面白いのは和様を取り入れた五重塔の方が後に建てられていることでしょうか。よく建築番組などで、東大寺の南大門が取り上げられますが、結局のところあの様式は我が国では(そのままは)受け入れられなかったということなんじゃないかと思ってしまいます。
どんなジャンルでも歴史を紐解いていくのは興味深いですね。室町時代に明王院の前に広がっていた草戸千軒などは、長らく洪水によって滅びた都市、つまり日本のポンペイのように言われて来ましたが、どうやら都市はあったものの、洪水があった頃にはすでに町の機能を失っていたとか。
また、福山氏はもともと備後国でしたが今は元安芸だった広島県となりました。このあたりも色々と歴史がありそうです。とはいえ、福山は岡山っぽいかと言われると、カープ地域っぽいようです。(良い酒置いてますな)
さて、明王院の後は神勝寺へと向かいます。