大徳寺 高桐院

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

孤篷庵から200mあまり東を右に曲がると、高桐院の入口があります。


その入口がまた気品にあふれていて、これから出会う空間への期待感に胸が膨らみます。そして門をくぐって現れたのが石畳の続くアプローチ。下の画像は出口方向に向かって撮ったものですが、ある意味庭よりもこちらの方がよく知られた風景かも知れませんね。宣伝などに使われる時は紅葉の時期が多かったように思いますが、この時期(3月)の緑に囲まれた清々しい世界も、決して引けを取らないでしょう。雨上がりのために輝く石畳や苔が印象的です。

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

高桐院は庭園の拝観は有料ですが、このアプローチまでは無料なので、手元不如意の時でもぜひ訪れたいもの。

まずはかつて聚楽第にあった利休邸が移築されたといわれる書院「意北軒」から巡ります。

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

千利休が、金毛閣の木像事件で秀吉の怒りを招き、堺への下向を命じられた時、淀川から堺へ下ってゆく利休を見送ったのは、古田織部と、ここを創建した細川忠興だけだったそうです。

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

書院西端には茶室「松向軒」があります。

そして、方丈に移ると、 独特の庭と対面です。写真集などでこの庭はあらかじめ見ていたものの、なんだかちょっと寂しげであまり期待はしていませんでした。ところが実際に目にしてビックリ、その美しさにすっかり目を奪われてしまいました。

灯籠のまわりに植えられているのは楓ですから、入口のアプローチ同様、紅葉の時期もきっと奇麗なのでしょうけれど、 この静寂感と言うか透明感と言うか、例えようもない空間こそ、ここの醍醐味かも知れません。

京都庭めぐりの旅 ~ 大徳寺 高桐院

ただ、このような地苔で覆われたのはごく最近のこと、1971年に住職となった松長剛山氏の手によるのだそうで、江戸時代初期の造園からそれまでの間は普通に土の庭だったんだそうです。庭の奥深さを感じますね。

それにしても、妙心寺と言い大徳寺と言い、こういったお寺は茶の心得があると、さらに楽しめそうな感じがあって、今の自分ではちょっともったいないような気もするんですが、とりあえずは今のままで、庭や古建築など楽しんでいきたいと考えています。そんな自分でもこの高桐院はおすすめです。


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