カシオペア ラウンジカー

寝台特急カシオペア《上り》乗車記 ラウンジ編

通常、下りが人気の寝台特急ですが、カシオペアの上りには大きなメリットがあります。


それが最後尾12号車のラウンジカーからの眺め。下り列車の場合、最後尾はスイートルームになっていて、後方展望は「ふたりだけのもの」ですが、上りは当然逆向きなので、全行程約1200kmのうち、進行方向の変わる函館〜青森間の160km以外は、流れ行く景色を全員が楽しめます。

逆にスイートのお客さんは前に機関車が付いてしまううえに、後方展望を見るためには延々12両も歩かないといけません。

カシオペア ラウンジカー

夜はこんな感じ。パステル系の色使いがちょっと時代を感じさせます。鉄道車両は30年以上使うケースが多いので、トレンドを追うよりもオーソドックスにまとめたほうが良さげ、その点1年先輩のサンライズはうまくいってるかもしれません。

この車両はそもそも電源車で、発電機はラウンジの床下に収められており、縦のグリーン部分が煙突となっています。以前より発電機がコンパクトになった恩恵で、その分音はしますがうまいやり方ではないでしょうか。

カシオペア ラウンジカー

外から見ると、ラウンジの床が高められているのがわかります。カシオペアは1編成のみの形式ですが、この電源車のみ旧型車両を改造した予備車があり、故障などのさいに出動します。残念なことにラウンジがなく、たまたまこれに当たった方は運がなかったとしか言いようがありませんが、8年ごとに行われる全般検査が昨年12月に行われたばかりなので、しばらくはその心配はなさそう。

ただ、全検を済ませると、従来のブルートレインであれば再塗装のおかげで新車のようになるのに対し、ステンレス無塗装のカシオペアは、すぐに汚れる編成両端の屋根がまだ綺麗な程度。

それにしても、カシオペアの車両はキャンピングトレーラーのAIRSTREAMを連想させますが、画像のような改造をする人が出るほど、カシオペアはマニア受けしていないようで。

カシオペア

しばらく後方展望を楽しんでまた部屋へ戻ります。部屋までの5両は結構長いですが、北斗星と違って自動ドアなのが助かります。

発車からしばらくの間は、お客さんが入っていない部屋は扉が開いているんですが、それを数えてみたところ、この日は17室ほど空きがあるようでした。

カシオペア ミニロビー
途中このようなミニロビーがありますが、こういった場所は開放B寝台の利用者が、体を伸ばすとか、就寝客の迷惑にならないように話をするケースに向いているのであって、全室A寝台個室の列車にはあまり需要はなさそう。やはり個室のトイレは無くして、このスペースに従来通りのトイレがあったほうが良さそうです。

カシオペア ウェルカムドリンク

部屋へ戻ると、ほどなくウェルカムドリンクがやってきました。ちょうど珈琲を飲みたい時だったので、これは嬉しいですね。

711系

東室蘭には6時前の到着、操車場にはつい先日引退したばかりの711系電車が停まっていました。北海道の厳しい自然のなかで、47年も頑張ってきましたから、思い入れのある方もきっと多いことでしょう。

室蘭 白鳥大橋

ヤスケンの故郷、室蘭の白鳥大橋が見えるとそろそろ日没、夕暮れの内浦湾を楽しみます。上り列車の車窓を味わうには、陽の長い4月〜8月いっぱいくらいまでがいいようです。

カシオペア 伊達紋別

18時22分、伊達紋別駅に到着。ここでは後続の特急「スーパー北斗」を先行させるために7分ほど停車します。このことからも、カシオペア号は観光特急としての位置付けが感じられるわけですが、それなら7分と言わず、15分〜20分くらい停車する駅を3箇所ほど設けて、体を伸ばしたり、記念撮影をしたり、土地の名物弁当をじっくり選んで買ったりできるようにするのもいいんじゃないでしょうか。遅れの回復にも有効なはずですし、鉄道旅行の長所をじっくり吟味して商品(列車)企画をすればもっと…とつい考えてしまいます。

カシオペア 日没

マジックアワーが訪れ、1番星を見つけると、寝台特急カシオペアは夜のステージへと移っていきます。

まずは乗車時に予約しておいたシャワー体験!
シャワー室の扉を開けると、画像左の脱衣室、その右手の扉を開けると右側のシャワー室で、どちらも思いっきり狭くてゴンゴンぶつけまくりです。

カシオペア シャワー

確保したシャワータイム30分のうち、お湯が出るのは6分間で、途中で中断可能です。6分はエラい短いように思いますが、結局は4分未満で済みました。
置き忘れのようなシャンプーがありましたが、かみさんが本日最初だったようですし、同様のブログ記事も見かけるので、もしかすると持ってこなかった方のために「わざと」置いてあるのかもしれません。

それにしても、列車内でまっぱになるのは何とも言えない感覚。
最後にドライヤーの風がかなり弱かったのには困りました。電源の関係かもしれませんが、熱は十分にあったので、もう少し熱くなくてもいいから風力が欲しい…そんな感じです。

風呂の後はいよいよディナーと参りましょう。

AD

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る