寝台特急カシオペア《上り》乗車記

寝台特急カシオペア《上り》乗車記 ツイン編

さあ、いよいよ今回の旅のメインイベント、寝台特急カシオペアの乗車です。

札幌でスープカレーを食べた後、朝までの食料を買い込みます。カシオペアの入線は16時3分、その15分前にはホームへあがり、打ち合わせ通り、自分は最後尾、かみさんは前寄り4号車へと分かれます。自分はもちろんカシオペアの入線を撮るためですが、かみさんはシャワー券ゲットのためです。

カシオペアのシャワーは、あらかじめカードを購入(300円)して予約をしないといけません。本日分は16時半から23時までの30分単位、6号車と10号車の2箇所分で26枠ありますが、日没までは景色を眺めて、函館で機関車交換イベントを眺めることを考えると、19時〜20時半までのわずか6枠を狙わなくてはいけなくなります。

カシオペア チケット

このシャワー券は入線直後から3号車食堂車で販売されますが、3号車は業務用扉しかなく、4号車側から入って並ぶわけです。幸いこの日は前に1名しかおらず、無事に19時と19時半の枠をゲットできました。朝風呂には入りましたが、何ゴトも経験!というわけです。

寝台特急カシオペア《上り》乗車記 1

列車は定刻通り入線、10ヶ月前の北斗星に乗った時のことを思い出しますが、DD51 1143+1137の重連は、偶然にもその時と同じ組み合わせ。とくに2機目の1137号機は1月の北斗星下りでも引っ張ってくれて、13両あるという青いDD51のなかでも、不思議な巡り合わせの機関車です。それにしても、数日前には青函トンネルでの出火による運休もあり、何があるかわからないとやきもきしたものでしたが、ここまでくれば乗れることも確定です。

写真を撮り終えて、4号車へ向かうといつものお見送りが(笑)。いろいろ記念写真をお願いしたいところですが、入線から発車まではわずか9分、あれよあれよと発車時刻に。札幌駅が忙しいのはわかりますが、このあたり、もうちょっとうまくできないもんでしょうか。

カシオペア 廊下

列車がゆっくりと動き出し、お見送りに手を振ると、やはり旅情がかきたてられます。その後自分たちの部屋のある7号車まで狭い通路を移動、階上室なので階段を上がって入室。

これが寝台特急カシオペアの標準的な…と言ってもA寝台ですが、カシオペアツインの階上室です。

カシオペアツイン

カシオペアツイン

扉を斜めに設置して開口幅を稼ぐなどの工夫が見られます。階上室は見晴らしと引き換えに、屋根の湾曲によって頭上空間が狭くなってしまいますが、このアーチがかえって列車内であることを強く意識させてくれます。

カシオペアツイン

カンタンですが、見取り図はこんな感じ。

カシオペアツイン

ベッドメイクは、まず、テーブルをたたんで、このように座面を引き出すと背もたれが倒れて向かい側とつながり…

カシオペアツイン

シーツを敷くと、L字に寝られるようになります。「これじゃ北枕!」って方はもちろん足同士を近づけても構いません。

カシオペアツイン

奥には飛び出ないよう、傾斜のついた荷物棚も設置されています。TVはBSのほか、ナビゲーションによる現在位置などが表示されます。その右横は折戸になっていて、中はトイレと洗面台です。

カシオペアツイン

洗面台は折りたたみ式で前に倒して使います。鏡の扉を開けると中にコップと歯ブラシ。でもこれ、気付かない人もいるんじゃないでしょうか。
そしてこのトイレ、これが体の大きい外人さんなどは、座るのも難しいんじゃないかというくらい狭い!空調(換気)を止めると多少臭いもしてくるし、これなら正直なくしてしまって室内スペースに充てた方がいいと思いますが、A寝台料金を取りたいがために無理につけたんでしょうか。メンテナンスがかかる割に、ふたりでも10分と使わないようなスペースは、やはり無駄と言わざるを得ません。

カシオペアツイン

トイレのスペースさえなければ、上図左側のようなサンライズツイン風の部屋にできますし、右側の北斗星デュエットの拡張版のような配置にしても、ベッドメイクの手間も省けます。ベッドメイクは決して難しくはなく、面倒くさいほどのことではないんですが、より狭かった北斗星のデュエットのほうが、シンプルに、そしてより気楽に過ごせたように思います。「A寝台なのに」という意識もあるんでしょうか。

24系のソロやデュエットの改造の設計に携わった人は、きっと「もう少しスペースがあれば…」と思ったことでしょう。それが2階建てになってドーンとスペースが増えると、とたんにケチになってしまう…、結局のところ、JRの都合が見え隠れするようで、レイアウトとしては、苦心は感じるものの決して優れているとは思えなかったのがちょっと残念。

カシオペアツイン

こちらは階下室。北斗星デュエットの階下室が通常の高さ(床がホームと同じ高さ)だったのに対して、下の画像のように半地下のような構造となっているため、その分天井高は確保できるものの、車窓の見え方に関してはかなり不利と言わざるを得ません。車窓は鉄道旅行の大事な楽しみのひとつ、今更ですが、さすがに値段には差があった方がいいように思います。カシオペアクルーズでは階下室の設定はないそうですし。

カシオペアツイン

とはいえ今や貴重な寝台特急、やはり乗っているだけで楽しくなります。カシオペアでは、ウェルカムコーヒーがあるんですが、それも待たずに列車内の探検を始めます。

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