薬師寺見納めの姿

というわけで、いきなり奈良は西ノ京、薬師寺に来てしまいました。


虎屋さんを出てから小雨がぱらつく中を、安藤忠雄の新しい作品である「俄」本店に立ち寄りつつ烏丸まで戻ってきて、錦市場にある漬物屋西利のレストランでランチをしたんですが、この時点で午後に予定されていた用事がキャンセルに。そこでツレは安藤忠雄の大山崎山荘美術館に行くとのことでしたが、自分は薬師寺に行くことにしました。
本当は翌日に朝から奈良巡りをしたかったんですが、何しろ天気予報が雨(しかもかなりの雨量)とのことなので、今日のうちに薬師寺だけでも…というわけです。

烏丸のホテルに預けていた荷物を取りに一旦立ち寄って、烏丸駅に。ツレはここから阪急なのでお別れ、自分は地下鉄で奈良に向かいます。ホームで1分前に奈良直通の急行が行ってしまったことを知り、「しまった」と思いましたが、次の竹田行きも終点でスグ向かいのホームに西ノ京方面直通の急行に接続、かえって便利でした。さらに嬉しいことに、なんと段々晴れてくるではないですか。西ノ京駅を降りて薬師寺に着くころには下の画像のとおり、晴れた陽射しの中で東塔を拝むことができました。また、この日は東塔、西塔ともに開扉されていて中を見ることができラッキーでした。

薬師寺見納めの姿

いよいよ約10年に渡る解体修理に入る東塔ですが、他に例をみない裳階つき三重塔ですから、調査でどんなことが解明されるのかがとても楽しみですね。年輪年代法にかなう木材があれば移築説と新築説の論争も決着を見るかも知れません。技術的な新発見もあると面白いですね。西塔をつくった西岡棟梁は解体しない範囲で調査して西塔の設計に役立てましたが、今回の解体修理を天国から相当興味を持って眺めるのではないでしょうか。

さて、以前にも書きましたがこの東塔は修理を機に西塔同様、連子窓を持った姿に生まれ変わるそうです。木材は基本的に使えるものは全てそのままにするため、彩色はなされないかなと思うんですが、今の姿は見納めです。また以前の記事の西塔の写真で三重の屋根を比較して欲しいんですが、東塔の方が軒が短くてその下の裳階とアウトラインが重なってしまって見えます。西塔の方はそんなことないですね。これが元に戻されることで今以上にリズム感が増してくることでしょう。
とは言え長きに渡って親しまれてきた東塔のお姿、それが西塔と仲良く並ぶ風景を、今回はぜひ大池ごしに眺めてみたいと、1kmほど歩きました。それが1枚目の画像で、再び曇り出してきたのと、湖面への映り込みもないんですが、念願の風景を目にすることができました。それにしても奈良っていいですね、同じ古都でも京都にはない、なんだかホッとする雰囲気があります。

薬師寺見納めの姿

より賑わう東大寺や興福寺あたりは、中学校の修学旅行以来ご無沙汰ですがどうでしょうか。平家贔屓なのでどうも後回しになってしまうんですよね。そう言えば、折しも東大寺は七重塔の再建が発表され、その意義や、材はどう調達するのかなど興味は色々ありますが、訪れるのは再建中の興福寺中金堂が完成する2015年頃でしょうか?

この日は大阪に泊まる予定ですが、帰りに大和西大寺で難波行きに乗り換える頃には、再び雨が降ってきました。よくぞ東塔を拝ませてくれたと、お天気に感謝です。

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