小湊鐵道キハ40

小湊鐵道キハ40がついにデビュー

小湊鐵道のオールドルーキー、キハ40がついに営業運転を開始しました。

2020年5月の搬入から1年足らずではあったものの、60年ぶりの新顔に感慨もひとしおです。
ここではデビューまでの流れを振り返ってみたいと思います。

小湊鐵道キハ40

搬入以降、6月の構内撮影会でお披露目された以外は、とくに大きな動きはないように見えましたが、2020年12月に災害からの復旧確認列車の形で試運転が行われました。直前に定期運用から外れたキハ202を従えた2両編成ですが、いつもの風景の中を行く新顔がとても新鮮です。

この時の40はまだJRの列車無線アンテナが残っていて、つらら切りがない状態です。JRマークのあったところは覆われ、「キハ40 2 Coming soon」と表記されており、改番されることが伺えます。

小湊鐵道キハ40

一連の試運転では、上総中野駅でいすみ鉄道の同じくJR移籍組と並ぶシーンも。小湊鐵道キハ200と元国鉄キハ40、キハ52、キハ28と4種類ものディーゼルカーが並ぶ光景は令和の時代、レア中のレアと言えるのではないでしょうか。

導入された40は2021と2026でしたが、後者の方がコンディションが良いようで、登場するのはもっぱら2026です。1両ずつ仕上げていくようです。

小湊鐵道キハ40

その後、本格的な改造工事に入ったようで、五井機関庫では作業中の様子も垣間見ることができました。詳しい内容はわかりませんが、つらら切りが戻されたり、表示幕が小湊用に換装されたり、ヘッドマーク用の金具が取り付けられたりと、徐々に仕上げられていく様は見ていてワクワクするものです。

そして今年4月、営業運転に向けた試運転がはじまりました。桜やそれに合わせて行われるライトアップには間に合わないかと思っていましたが、なんとかギリギリセーフです。

小湊鐵道キハ40

今年の桜はあっという間に満開になってしまい、比較的残ってくれていたのが上総久保、高滝、月崎あたりでしょうか、絡めることができましが、ライトアップに関しては飯給で待っていたところ、列車が来るわずか1分前に消灯してしまい、居合わせた人一同の悲鳴が夜の里山にこだますることに。

小湊鐵道キハ40

田んぼに水が入り始めると、水鏡も。そばにいた農家の方が「緑のなんてはじめて見たけど、あれなあに?新鮮だねえ。」と仰ってました。只見線時代のカラーは里山にも合いますし、新顔アピールには良かったようです。

小湊鐵道キハ40

馬立で形は古いけれどまだ6年目のトロッコと、40年選手ながら新顔の40とのいささかややこしい交換風景です。小湊鐵道でキハ200以外の2形式が交換するなんて、沿線住民にとっては全く非日常な景色です。

小湊鐵道キハ40

市原のランドマークをバックに上総村上駅を後にする40。この東北本社色は地の色が真っ白ではなく、アイボリーなのが品もあっていいですね。先日引退した踊り子号の電車もそうでしたが、風景と良く馴染みます。

小湊鐵道キハ40

試運転が続けられる中、ついに営業運転のお知らせが。まずは定期列車としてではなく、貸切のお披露目列車ということですが、驚いたのは急行列車として運転されることと、(夜通し走るわけではないけれど)室内を減光させた夜行列車として運転することです。

お隣いすみ鉄道同様「スペシャル」という意味合いでの「急行」ではありますが、ヘッドマークも準備して、なかなか意気込みを感じるアツい企画です。

小湊鐵道キハ40

コロナ禍で定員を20名程度に抑えたためではありますが、1万円という高額プランにも拘らず、あっという間に売り切れてしまったようで、秋田での同系列引退じきと重なったのも効果的だったのかもしれません。追加運転もされましたが、なかなかの盛況っぷりでした。

小湊鐵道キハ40

一方の2021号車ですが、こちらは雨漏りなどもあったようですし、塗装の状態も2026ほど良くなかったんでしょう、オリジナルカラーのファイアーレッドとモーンアイボリーのツートンに塗り替えられていました。とはいえ、従来の日本ペイントから、艶や耐久性に優れる関西ペイントに変更、多少発色の違いがあるようです。

緑のカラーも良いですが、こうして小湊の車両となった以上、アイデンティティを踏襲するのがむしろ当然かもしれません。それでも細かい部分はかなり熟慮されたようで、識別のためか前面の斜めカットが踏襲され、塗り分け位置もキハ200より低めに設定される一方、デビュー時のキハ200のように雨樋も赤く塗って引き締めています。

小湊鐵道キハ40

いすみのキハ52のような一般色を望む向きもあり、それはそれで面白そうですが、すでに一般色に塗られた他社の40を見る限り、赤の面積が多すぎてちょっと重たい印象、ある程度の長い編成であれば良さそうですが、個人的には40にはこの色分けの方が似合っているように思います。キハ40 2は今後塗り替えが必要になった時、どうなるかが注目です。

小湊色となったキハ40 1はこれから検査のようで、運用開始は6月とも7月とも言われています。小湊鐵道もキハ200同様、本当はオリジナルの新車を入れたかったのかもしれません。災害とコロナで非常に厳しい状況の中、キハ40導入と相成りましたが予想外の恩恵をもたらしてくれるかもしれません。今後の活躍に期待したいと思います。

 

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