北斗星

ゆく旅くる旅

北斗星のラストランで、ついにブルートレインは全廃となってしまいました。

在来線を走る長距離列車、とりわけ機関車が客車を牽引するブルートレインには独特のオーラがあり、小さい頃から憧れていただけにとても残念です。とくに北斗星は、東海道のそれと違ってまだまだ人気があったにもかかわらず、北海道新幹線に強制退去させられたような感じでちょっと切ないものがあります。

当の北海道新幹線がまだ有望なものであれば、時代の流れと諦めもつくかもしれませんが、はやくも赤字が見込まれているような状態では「なぜ?」と思わずにはいられません。

新幹線のような高規格レールを新たに作り、維持していく費用が在来線の比じゃないことは誰でもわかることです。それでも1時間に4〜5本走るのであればわかりますが、たった1本程度、しかも80km強ある青函トンネル内では時速140kmに抑えて走らなければいけないのであれば、少なくとも山形・秋田新幹線方式で十分だったんじゃないでしょうか。

北斗星

夜行列車って必要だと思うんです。「男はつらいよ」で満男が乗っていたように、若者には欠かせないと思うし、外国人旅行者が限られた予算と時間内で日本を回るのにも有効なはず。採算は決して良くないかもしれないけれど、国営上がりの企業、原価計算も怪しいものだし、努力よりも都合ばかりが目につくのは、ある意味独占企業で守られているからでしょう。あるいは都市部で楽に稼げるとその他が面倒臭くなるんでしょうか。

今年は和歌山〜備中高梁〜高松と千葉〜平泉の2度、青春18きっぷで旅をしたけれど、西日本に比べて競争の少ない東日本は、列車の走行区間が細切れなうえに快速も少なく、しかも階段を使わずに乗継ぎ列車に乗換えできたことがただの1度もありませんでした。西日本の場合、多くは向かいのホームで待ってくれていたものです。

下の画像は唯一長距離を走ってくれた列車、仙台を14時30分に出て福島に15時50分着、38分も停車するものの列車番号を変えてそのまま黒磯まで行ってくれます。黒磯着は18時33分なのでほぼ4時間乗ることになります。

2148M

いっそのこと大都市30〜50km圏の鉄道は、初乗り運賃を一気に300円程度にアップ(学割、子供は据置)し、そのかわり他社線へ乗り換えた時の初乗り運賃の重複を廃止、さらにJRは700〜800km以上の運賃と、新幹線特急料金は据置き…みたいな大きな発想の転換が必要かも。

さて、ブルートレインのように去りゆく列車もあれば、地元に颯爽と登場したニューフェイスもありました。

里山トロッコ

小湊鐵道の里山トロッコです。窓を取り去った客車2両を含む4両を、クリーンディーゼルを搭載したSL型機関車で牽引する、新たな発想の列車です。大正時代のものを移植したという汽笛はじつに郷愁があり、自宅からの景色も新鮮になりました。

珍しいメーカーからの納入現場にも立ち会えたうえに、ありがたいことに仕事でもお手伝いさせていただいていることから、思い入れもひとしおです。

里山トロッコ

残念ながら運行開始直後にサイドロッドが故障して、今季の運転を取りやめざるを得なくなってしまいましたが、大企業が大企業に発注した山手線の新型車両でさえいきなり故障していますし、新たな価値を生み出すのは決して簡単ではありません、あたたかく見守っていきたいものです。

里山トロッコ

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