Beatles in Mono

恒例の秋のクルマの集まりには、昨年に引き続き今年も行けなくなってしまいました。

仕事が入ってしまったのが理由なわけですが、普通なら早めに仕上げるなり何とかなりそうなものを、今回のWEB案件は公開日が11月1日と日程がピッタンコ、10月30日と11月1日はMacに張り付いていなければならず、諦めるよりほかありませんでした。ならば13日の筑波ツーリングで憂さを晴らして…と思った矢先、11日金曜日にいきなり発熱。すわ、新型か！と焦りましたが土曜にはとりあえず平熱に下がりました。でも月曜に打合せがあるので（しかも秋を断念した仕事の）ムリはできず、終日安静にするはめに。

何ともやり切れなかった週末でしたが、フィエスタ修理の出費でなかば諦めていたビートルズのリマスターBOXを、誕生日のプレゼントにと妻に買ってもらい、退屈せずに過ごせました。
今回のボックスはステレオとモノラルがあるんですが、ステレオが今後もバラで継続販売されるのに対し、モノラルは限定なこと、ビートルズの時代はモノラルの方がいい感じなんじゃないかと思ったこと、中期アルバムの妙なステレオがLP時代のようなモノラルで聴けることから、モノラルボックスにしました。

通販が品切れ状態だったので津田沼のタワレコで仕入れたんですが、音楽ギフトカードのキャンペーンとかで通常のポイント以上に1500円ほどお得になり、小額の追加でモノボックスには収録されていないレット・イット・ビーとアビー・ロードの輸入盤も買えたのはラッキーでした。それにしても元々の値付けがちょっと高すぎるんじゃないでしょうか？既存音楽の再発でこの値段はちょっと企業姿勢を疑いますね。

さて、アイスノンを頭に乗せつつ聴いてみた感想ですが、結果的に中期アルバムのモノラルは、自分にとっては新鮮でなかなかよかったですね。ただ、旧盤との比較はちょっとそんなわけでできません。で、旧盤でもモノラルだった初期の4枚はと言うと、リマスター盤の方が雑味はとれているようなんですが、全体的に音がこじんまりとしてちょっと元気がない印象。旧盤の方がリアリティがあって、何より聴いて楽しい気がするんですが、これはどうしたことでしょう。

今回のリマスター作業のウエイトが今後の主流になるステレオ盤にあることはなんとなく想像がつくんですが…ともやもやしたまま、今度は新旧ともにステレオのレット・イット・ビーを比較。これはなんとなくリマスターらしいと言いますか、いい感じの仕上がりで旧盤よりも洗練された印象を持ちました。で、次にアビー・ロードですが、低音が思いのほか強調されているようなんですが、これはポールのリクエストでしょうか？バランスが崩れてしまったような曲もあるし、リマスター盤が良いかどうかは判断しかねるところ。

そこでLPを引っ張り出して聴いてみたんですが、結局これが一番音がいい。自分はビートルズに関してはとくに入れ込んでるわけではないので、持ってるLPはアビー・ロードのみ。しかもUKオリジナル盤などではなくアメリカ盤で、リンゴレーベルながら、安かったしたぶん再発もの…であるにも拘らず、ボーカルの密度や音の滑らかさでLPに軍配が上がります。

詳しいことは素人には分かりませんが、やっぱりマスターテープの劣化が、年月の割には少なかったものの、それなりに進行していたんでしょうかねぇ。
あとは何年もの歳月をかけて一流の技術者がリマスターしても、結局LPの方が音楽を楽しめるということはCDというフォーマットの限界なのかも知れません。仮にビートルズの音楽が録音後すぐにCDで出されていたとしても、今回のCDよりはいい音だと想像できますが、レコード以上かと言うと難しい気がします。デジタルがいけないと言うよりも、CDがデジタル時代に入ってまだ間もない頃の規格ゆえ…と言うことではないでしょうか。

以前から「レコードは残るけれど、CDは消える」と言われてきましたが、いよいよそれが現実味を帯びてきたのかも知れません、LP以上に音楽を楽しもうと思ったら、次のフォーマットが必要なようです。さあ、こうなってくるとCDを買うことに少し躊躇しちゃいますねー。近い将来に買い直さなくてはならなくなることも考えられるわけで、とりあえず今はLPのある音楽に関してはLPで買っておくのが良いのかも。

ビートルズのモノラルボックスは色んなことを考えさせてもくれたわけですが、しばらく聴いていなかったビートルズを改めてしっかり聴かせてくれるきっかけになったのはとても良かったんじゃないかと思います。
余談ですが、ロックンロールって長距離ドライブにじつにいい塩梅なんですよね。で、もうひとつロックンロールに負けず劣らずいい塩梅なのが演歌（笑