見所の多い岡山周辺で、もっとも行ってみたかったのは備中国分寺です。
五重塔の佇まいが美しく映える田園風景は、まさに宝のようなものです。しかし、残念なのはここへ行くための公共交通機関が皆無なこと!
吉備線の最寄駅と思われる服部からでも3.4km、Googlemapでは徒歩43分と表示され、この暑いさなか「吉備路」ならぬ「きびしー」状況。国分寺までとは言わずとも、せめて1〜2kmくらいのところまでバスでも出てくれていれば利用価値もあるもののそれもなし。6月まで開催されていた「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」の時は総社からのバスがあったそうですが、そんなにもバスで訪れる人がいないものなのでしょうか。
岡山出身の知り合いに聞いてみたところ「あの辺はチャリ」なんだそうで、なるほど観光サイトを見てみると、整備された自転車道と、レンタサイクルが紹介されていました。
よく取り上げられているのが、地図上、青いチャリマークのレンタサイクルショップで、これらは相互に乗り捨てが出来るそうです。暑い中戻らずに済むのはグッドアイデアですが、備前一宮からでは無駄に距離が長いうえ、手持ちの切符が東総社までのため、総社まで行くと余分な運賃がかかってしまいます。
吉備津彦神社や吉備津神社は、それぞれ備前一宮駅、吉備津駅から近く吉備線が使えるため、むしろ備中高松駅にレンタサイクルがあればいいのに…と思って探すとありましたウシダサイクルさん。乗り捨て協定を結んでいないショップのためか、ショップ返却が必要ですが、備中高松で返却後、駅前から出る稲荷山健康センター(温泉)の送迎バスにのって汗を流して、最上稲荷、備中高松城跡によれば完璧なルートになるというわけです。
というわけで、岡山からは吉備線に乗車。この3月から桃太郎線と称するようになったそうですが、うーん、こういうのどうなんでしょうね。
3つめの備前一宮で下車、吉備津彦神社に参拝です。ここは夏至の日に、正面の鳥居から祭文殿の鏡へと日が差し込む造りになっていて「朝日の宮」とも呼ばれているそうです。
これは渡殿、吉備津彦神社は昭和の初めに失火で本殿と随神門以外を焼失してしまったそうです。
こちらが火災を免れた本殿、江戸期1697年の完成で、県指定重要文化財。神社らしい流れ造り。
この6月、40年ぶりの葺替えが終わったばかりで、写真のようにピッカピカ、これはラッキーでした。
ふたたび吉備線に乗って隣の吉備津駅で下車、ローカル線ではありますが、30分程度の間隔なので使いやすいです。駅のすぐ近くから参道となり、500m足らずで吉備津神社に到着。
ここでの見所はまず室町時代1425年に造られ「比翼入母屋造」という全国唯一の様式を持つ国宝、本殿・拝殿です。写真のような角度から眺められるのもGood、でかい亀腹も目を引きます。こちらも屋根は葺替え後8年ほどしか経っておらず柔らかな色彩感を保っています。
吉備津神社は他にも見所満載で、趣のある庭園や、当神社最古、1357年完成の南隋神門とそこから繋がる総延長398mと言われる回廊があります。ちょっと長谷寺の登廊や、高台寺の臥龍廊を想起させます。
このあとは、また1駅先の備中高松で下車。いよいよ本命の備中国分寺ですが、長くなってきたので、つづきは後編で。