備中高松駅

吉備路で日本の風景を味わう 後編

備中高松駅に到着したのが12時過ぎ、ちょっとお腹もすいてきました。

それもそのはず、この日は朝5時過ぎにサンドイッチを少し食べただけ、でもいまひとつめぼしい所が見つからないので、そのままレンタサイクルのウシダサイクルへ。
こちらでのレンタル料金は2時間まで300円、1時間増す毎に100円で、1日(6時間以上)は800円となかなか良心的。簡単な地図をもらって出発します。

ウシダサイクル

借りたのは自宅のルイガノ、カープ号と同じ真っ赤な自転車。レンタサイクルのご主人、見る目あります。それにしても暑い、この日の予想気温は31度、体感ではもう少しありそうな感じです。このあたりは基本平坦ですが、ギアがないため上り勾配になると一気に汗が噴き出します。

吉備路

自転車道はのどかな田んぼの中を通っていてじつに爽快、足守川を渡ると我が国で4番目に大きいとされる造山古墳が見えてきました。さらに1.4kmほど進むと旧山陽道が見え、備中国分尼寺を経て、ほどなく備中国分寺、塔の相輪が見えた時はちょっとした感動です。

備中国分寺

備中国分寺は、お隣の国分尼寺と並んで、もともと奈良時代に全国に建立された国分寺のひとつでしたが、その後衰退し、現在のものは江戸時代半ばの1704〜11年頃に再建されたもので、日照山国分寺となっています。

備中国分寺

画像の通り寺域は重複するそうですが、元々の五重塔の位置などは不明だとか。普通に考えれば庫裏の手前あたりでしょうか。

そんなわけで、この五重塔は江戸期のものらしく寸胴で色気にかけるものの、素晴らしいのは塔を含めた周りの景観で、それはまさにニッポンの里山風景を代表するものと言ってもよく、これ以上のシンボルはありません、よくぞ再建してくれたと思うばかり。男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎のロケでも使われていました。

備中国分寺

わが市原市にもかつて国分寺、国分尼寺が存在していて、一説には七重塔があったと言われていますが、その後跡形もなくなり、国分尼寺の回廊が復元されただけ良しとすべきかもしれませんが、こうして本物を目の当たりにすると、仏塔の持つ計り知れない価値が感じられてなりません。

現在、画像のように収穫前の稲穂の海に立っていますが、毎年5月頃になるとここらは一面れんげ畑となり、それこそ西方浄土さながらの景色になるそうです。

三宅酒造

ところで、備中国分寺のいいところは、すぐ近くに酒蔵があること。こちらは三宅酒造さん。近年、高梁川水系の蔵元5社の若手後継者が集まり、「岡山ZARU」と言うグループを立ち上げ、それぞれのコンセプトで醸されたORIGINシリーズが注目されています。この三宅酒造もその一つですが、残念ながらORIGINは売り切れ、代わりに帰りの寝台特急で飲むための「れんげの舞い」を購入しました。

いい加減お腹もすいてきたので、三宅酒造となりの観光物産館、「吉備路もてなしの館」に立ち寄ったところ、なんと、こちらのランチは午後2時まで!5分ほどの遅れなので「あ、大丈夫ですよ」と言われるかと思いきや、あえなく「ゴメンナサイ」。

千葉の人間から見れば、羨ましい限りの観光資源がありながら、公共交通機関がないことも含めて、まったく商売っ気のなさに驚きますが、だからこそこの風景が今日まで残されていたのかもしれません。

仕方なく、すきっ腹を抱えてもてなしの館を後にしますが、ヨイキゲンさんのORIGINが1本だけあったので購入しました。

天然温泉ゆずき

備中高松駅で自転車を返却、ヘトヘトの汗だくですが、ここから送迎バスに乗って稲荷山健康センターでご飯を食べて、温泉に浸かる…はずだったんですが、待てど暮らせど送迎バスが来ません。痺れをきらして駅員さんに尋ねてみると、なんと「今メンテナンスだか何かでお休みじゃないかな」との返事。送迎バスの時間を調べるためにホームページはチェックしましたが、そんなことどこにも書いてなかったハズ。

でもそこにぬかりはありません。備中高松から岡山方面に3つ戻った大安寺駅の近くに「ゆずき」というスーパー銭湯があるのをチェックしていました。ただ、健康センターついでに行こうと思っていた、最上稲荷と秀吉の水攻めで名高い備中高松城跡はもはや気力もなく、また次回ということに。

ヨイキゲン ORIGIN

というわけで、帰省旅の寄り道もこれにて終了。風呂上がりのすっきりした状態で、岡山駅からサンライズ出雲で帰ります。

岡山駅ではエスカレーターでどちらに寄ればいいかわからず、まごつきましたが、どうやら岡山は東京と同じ左寄りのようでした。

余談ですが、「吉備路もてなしの館」で購入したヨイキゲンさんのORIGIN、サンライズ待ちの間眺めていると、なんと製造から1年経っていました。日本酒そのものは火入れなら1年の経過くらい問題ありませんが、それを過ごした場所が蔵ではなく土産屋というのがちと心配です。

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