円通寺のあとは、木野駅から叡山電車で蓮華寺へと向かいます。
岩倉にはほかに実相院というお寺があるんですが、近年、その石庭が大変残念なことになってしまったのでパスすることに。
叡山電車は思いのほかモダンな電車がきて驚きましたが、難儀したのがトイレ。じつは円通寺を出る頃に多少したかったものの、「駅でいいか」とやり過ごしてしまったのがそもそもの過ちでした。小さい途中駅の木野駅にトイレはなく、分岐駅である宝ヶ池ならと電車に乗りましたが、ここにもなし。八瀬比叡山口方面に乗り換えて1つ目の三宅八幡で降りてもなく、結局蓮華寺でやっとラクになれました。
さて、蓮華寺のお庭ですがこぢんまりとして落ち着いた印象。画像では枯れ枝が多く写っていますが、これらは皆秋に真っ赤に染まるそうで、紅葉の美しさは特筆ものなんだそうです。見てみたいものですが、きっと混むんでしょうね。
この枯れ枝の多さのせいか、または大きさの割に距離があるためか、つい見逃しがちな石組みですが、向かって左側の方はユルめなものの、右側の石橋周りに関しては、よく見るとなかなかの構成で、それぞれの石たちにも風格が見受けられます。
紅葉の名所となっている以上難しいのかもしれませんが、もう少し樹木は減らしたほうが石組みの存在感が増すような気もします。ちょっと不思議に思ったのは、この庭の奥には方向的に比叡山があると思ううんですが、借景にはされていないんです。微妙に角度が違っているのかもしれませんが、作庭当初は、比叡山を借景としていたものの、等持院のように現代建築が間に建ってしまったために目隠しで木々を伸ばししまったとかあったりするんでしょうか。
でも、あとで昔の名所図会をみてみると、当時書院はなく、庭は右手の本堂、つまり南から北へ向かって見るんだったようです。そうなると借景も何もないですね。
蓮華寺のあとはまた叡山電車にのって、南下です。