名手酒造

紀州トンボ返りの旅

いつも少しずらして行く帰省旅、今年は2月3日となりました。

ありがたいことに昨年より仕事が立て込んでいて、スケジュール調整が厳しかったんですが、今もご健在のかみさんのお婆様にはぜひお会いしておかねばと、自分のみトンボ返りのプランを立てました。始発の新幹線で向かって、その日の夜に出る夜行列車で帰ってくるというもので、これはこれでなかなか楽しめそうです。

始発の「のぞみ号」に乗って「くろしお号」に乗り継ぐと、昼前くらいに着くことができますが、それでは「お昼ゴチしてください」と言ってるようなもの、紀勢線和歌山の少し先にある黒江駅で途中下車をして、漆器で栄えた特徴ある町並みを訪ねてみることに。

黒江にはお目当てもあって、それは和歌山を代表する銘酒「黒牛」を醸している名手酒造店さん。割と大きな蔵で敷地内には有料試飲ができる場所があるとのこと。さっそく立ち寄ってみると、ショウケースに取扱商品の瓶が並べられています。ところが欲しいと思っていた雄町の生原酒、それと同火入れともに札が倒されています。

名手酒造店

近くにいた店の方に「札の倒れているのは在庫切れですか?」と尋ねると案の定、ただ「もしかしたら火入れは数本あるかな?」という救いの言葉に、いろいろと話を始めると、「時間があるならちょっと寄っておいで、蔵を見ていかない?」との嬉しいお誘いが。

図らずも蔵見学をさせていただけましたが、驚いたのは精米機があったこと、しかも2台!それだけの出荷量があるとも言えますが、やはり全てを把握したいんだと思います。蔵は大吟醸の仕込みに入っているため、コアなエリアには行けませんでしたが、結局、生原酒も分けて頂けるとのことで、雄町の生原酒四合瓶と瓶燗急冷一升瓶をお土産に購ゲットしました。

黒牛 雄町

名手酒造店さんは、現在社員杜氏制だそうですが、それまで杜氏を務めてこられたのが但馬杜氏の井口さんで、自分たちがたまたま声をかけたのがこの方だったというわけです。いろいろと楽しいお話を聞かせていただいた上に、海南駅まで車で送ってくださいました。結局町並みは時間の都合で見られませんでしたが、いい時間を過ごすことができました。

その後、無事にお婆さまにお会いして、実家に立ち寄ってしばし過ごしたあと、御坊20時過ぎのくろしお号でまた大阪へと向かいます。くろしおは新大阪行きですが、途中大阪を経由しないので天王寺で乗り換えなければいけません。

サンライズ出雲

大阪から乗るのは寝台特急のサンライズ出雲、昨年5月に山陰旅行で乗ったのと同じ列車ですが、乗車距離が短い今回は、寝台券 のいらないノビノビ座席で大幅節約。

このサンライズ出雲 / 瀬戸が大阪を出るのは深夜の0時34分、人によってはこの時間までを持て余してしまうところですが、ここは迷わず黒牛生原酒を手土産に、北新地にある叔父のスナック ガンダーラへ。

じつはここで黒牛を飲ませてもらいましたが、驚きのうまさです。黒牛は近所の酒屋でも取り扱っていたので、以前飲みましたが、確かにとても美味しいものの中庸な印象がありました。でもこれは濃厚でありながら軽くてすっきりとした旨味がスゴい!手土産なのに調子に乗って結構飲んでしまいました。自宅用の瓶燗急冷も楽しみです。

ノビノビ座席

11時半頃に店を出て、まだ「薬師堂節分お水汲み祭」の余韻が残る北新地をあとに大阪駅へ。コンビニで朝食や飲み物を調達してホームへ上がると、サンライズ待ちの方は十数名ほどいる感じでしょうか。衰退が止まない夜行列車ですが、使いではあるはずなんですけどね。

列車が入線し、乗り込むと車内はすでに寝静まっている様子。この日は満席で自分の両隣にも若〜い女性がお休みになってました。音を立てないように幅約80cmの自分のエリアにすべり込みます。

床がカーペットのみなので多少硬めですが、頭まわりには仕切りもあってなかなか快適、朝も早かったのであっという間に寝てしまい、覚えていないのですが、前回、シングルツインで感じた猛烈な揺れは感じませんでした。上段だったおかげか、モーター音も気にならず、大阪からの500km半程度なら十分に快適だったと言えます。

ノビノビ座席

欲を言えば不特定多数の人が「寝る」ので、カーペットの上に敷くシーツくらい(上半分でも可)あっても良さそうだけれど、逆に言えばそれくらいは用意してくればいいのかもしれません。

単純な話、大阪に泊まって朝の新幹線で帰る場合と、サンライズのノビノビ座席で帰るのとでは1万円から違ってくるわけで、こういったノビノビ座席やはまなすのドリームカーを繋いだ夜行はもっと欲しいくらいです。

さて、自宅には10時前には到着、予定通りとはいえ、たっぷり仕事が待っていました。

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