銀河鉄道999も発着する米子駅。
足立美術館のシャトルバスで米子駅に着いたのはお昼前、ここから鳥取まではレンタカーを利用します。と、そのまえに、米子駅併設のいまでは数少なくなったラウンドハウスをちょっと見物、転車台は2007年に従来のものと交換されたばかり。
レンタカーは今回駅レンではなく、タイムズ(旧マツダ)レンタカーです。米子はもう鳥取県、100km弱ある鳥取まででも同一県内のため、デミオクラスが5000円台で借りられます。
お昼時ということで、まずはランチ。鳥取県といえばまず一番に食べたかったのがモサエビ。正式には「クロザコエビ」という名前だそうですが、漁獲量が少ない上に傷みが早く、半日もすれば頭が黒くなって見栄えが悪くなってしまうことからほとんど流通されないという、まさに旅を盛り上げてくれる一品。
伺ったお店は「山芳亭」という米子のイオンに併設されているお店。注文したのは「えび白丼」というモサエビのづけと白イカのウニまぶし丼です。このところ、海鮮丼は北海道や青森で食べてきましたが、それでも美味しい、エビはもうプリップリ。
ランチの後は山陰道で琴浦へ。もともと地元の国道を走るのが好きなんですが、この日のスケジュールはちょっとキツめなことと、このあたりは無料区間なので、前半は巻き気味でいきます。
大山がすぐ近くに望めますが、この日は晴れると言われながら、今のところまだ曇り空で霞み気味、それでも数日前までは異例の5月台風でやきもきしていましたから御の字でしょう。
次に立ち寄ったのは、琴浦町は光(みつ)と呼ばれる集落で、48戸の集落のうち24棟に鏝絵が施されています。昭和30年頃の大火の際、焼け残ったのが漆喰の蔵だったため、蔵造での再建が多く、また縁起かつぎも込めて漆喰壁に地元の左官職人が鏝絵を描いたことが始まりだとか。
どれも立体具合がお見事、ちいさな集落ですが、まさにキラリと光る好スポット。ただ、当然個人宅ですので、鑑賞には配慮が必要です。
光の次は白壁土蔵の街並みのある倉吉へ。
そういえば月山の吉田酒造へ行った時も瓦が赤かったんですが、中国地方は赤瓦が多いんですね。こういった場所が故郷だと、瓦を見てきっと「帰ってきたなぁ」感じるんじゃないでしょうか。
倉吉ではおすすめコースを散策の後、1760年建築の倉吉最古の町屋建物、倉吉淀屋を見学。江戸初期の豪商「淀屋」の大番頭であった牧田仁右衛門が、故郷の倉吉に戻って密かに淀屋を再興した名残です。最近まで普通に住んでいたようですが、空いた後に買いとってできるだけ原型に修復されました。
修復の際に交換された材は、あえて古色をつけなかったため、古材とそうでないものが容易に判別できて、かえって楽しめます。2階には木材の継手のサンプルが数多く展示されていました。
倉吉からは海岸沿いを鳥取へと向かいます。たまに国道を外れて、より海岸に近い道路を通ったりしましたが、天気は相変わらず曇ったまま。
途中魚見台や、鳴き砂の浜に立ち寄りつつ19時前に鳥取到着、レンタカーを返却してチェックイン後、晩ご飯に出かけます。
米子で食べたモサエビは、漬けである意味変化球だったこともあり、改めて刺身を注文、プリプリで甘い!噂に違わぬ美味しさに満足、それともうひとつの鳥取名物「とうふちくわ」をいただきました。とうふもちくわも大好きなもので、これはたまりません、お酒によく合いながらお安いのがいいですね。
山陰旅行最後の夜はこうして更けていきました。