出雲大社を後にし、1.2キロほど神門通りを南下、旧大社駅へと向かいます。
平日とはいえ出雲大社は例大祭期間中、神門通りなどクルマで通るのは難しいかと思っていたら、拍子抜けするほど空いています。出雲大社ほどの知名度があり、伊勢神宮と違って建築自体に見応えがあっても、大都市から距離があるとこんなものなのでしょうか。空いている方が楽ですけど、少し寂しい気もします。
この大社駅を終点とするJR大社線が廃止となったのは1990年4月のこと。まさにバブル真っ只中だというのに、それほどまでに利用者が少なかったんでしょうか。「平成の大遷宮」の時にもこの線が残っていれば、多くの方に利用されていたんじゃないかと思うんですが、そうはいかないものなのかも。
遷宮に合わせたのか2010年頃、お色直しが施されたと思ったD51ですが、数年でボロボロに。やはり鉄道車両の屋外展示は、難しいと言わざるを得ません。
駅内部も立派なもので、ほとんど使われていないのがじつにもったいない。移築して一畑電車で使ってもらうとかできないものでしょうか。なまじ重要文化財に指定されてしまったのがいけないのかもしれませんが、元の位置に残しておくのがいいのか、生きた建築として本来の用途で使われるのがいいのか、難しいところです。
1時半を回ってお腹もすいてきたので、出雲名物のランチと参りましょう。
そしてやってきたのが出雲文化伝承館。ここは当地の大地主だった江角家の母屋と長屋門を移築して資料館や茶会などの貸スペースとしたものですが、この中に名物出雲そばのお店「献上そば 羽根屋」があります。ネットで評判が良かったのと、やはり大社の門前はちょっとアレかな?というわけでチョイスしました。
ちょっと曇り空になってきましたが、庭園を眺めながらいただく蕎麦もまたオツなものです。蕎麦は田舎風でそこそこ美味しいんですが、薬味をのせて、直接そばつゆをかけて食べるというスタイルにちょっと戸惑いが…。季節外れなこともありますが、残念ながら鮮烈な味わいとまではいかないようでした。
出雲文化伝承館から、ぶどう畑の中を通って訪れたのは島根ワイナリー。ワインも味わってみたかったものの、車ですし、ここでのお目当は「ぜんざい」です。ぜんざいは「神在祭」で振る舞われた「神在餅」を由来とするという説があり、出雲名物のひとつになっていて、蕎麦後のデザートにはもってこいというわけです。
ひととおり出雲名物をいただいた後は、庭園を見に雲州平田方面へと車を走らせます。