富士登山にチャレンジ その2

ニッポンのすべてが自分の下にある。そんな体験も1度はしてみたいですね。



山小屋で起こされたのは0時半頃でしょうか?ここまでの登山疲れで爆睡できるだろうと思ってましたが、続々と到着する登山者の音が結構うるさいし、イビキかきまくって女性陣の反感を買うのも怖いというわけで、それなりに寝てはいたものの、浅いままと言う感じでした。

準備を終えて山小屋の外へ出てみるともう既に大渋滞。皆が皆頂上でご来光を拝もうというわけですから、そりゃあこうなりますよね。暗くて景色が楽しめない上に結構寒いし、頭痛はいまひとつ治らず若干の吐き気も…なんとも先が思いやられます。

それにしても富士山にはもうちょっと分かりやすい道標と言うか、標高表記と言うか、目標があってもいいような気がしますね。自分たちの泊まった鳥居荘は七合目よりも結構上にあったために、八合目はすぐ着くものと思っていましたが、渋滞のせいか予想以上に長くかかりました。でも八合目なら残りあと二合…と思うのが普通ですが、それから延々と登って着くのが何と本八合目という地点。「本ってなんだよ、本って! 」と、ここでまた一合分引きずり降ろされたような気分になります。全部「本」つきで揃えるとか、100m登るごとに標高表示を立てて励みにできるようにするとか、富士山なんですからもうちょっと何かあってもよさそうなんですが、暗くて見落としているのかも知れません。

それにしても、途中何度か休憩を挟むんですが、山小屋宿泊前と違ってなんとなく疲れがとれないままの再出発がつづきます。本八合目あたりではかなり寒くなってきたので(5度くらい?)、用意してきたレインコートを着込みます。何度目かの休憩のあと、皆が上がっていくのと別な方向に進みはじめましたんですが、それまで岩場だったのが砂礫道になり、傾斜そのものはゆるいものの、足を踏み出しても砂礫に乗って落ちてきてしまいます。なんというか3歩進んで2歩下がると言うかそんな感じ。どうもあまりの混雑にご来光に間に合わないと踏んだのか下山道を登ることにしたようです。しかしこれがキツいのなんのって前に全然すすまないんです。体力的には岩場をよじ上る方がまだラクでした。

ここまでくるともう会話もままならず、ただ黙々と進むよりほかにありません。依然として吐き気はあるんですが、なんとかガマンできる程度で、ここが踏んばり時と言い聞かせます。この4月から4ヶ月で8キロ以上痩せてしまい、ここ10年で最も軽い状態で臨むのは登山にはむしろ吉かと思ったんですが、たんに体力不足になってしまっただけだったかも。とにかく黙々と歩き続けるうちにあたりが少しずつ明るくなりはじめ、やっと頂上が見えてきました。結局ご来光は頂上のほんの少し手前で眺めたんですが、その後頂上まで登りきりました。

厳密に言うと、吉田口からの頂上は3720mで、富士山の一番高い3776mのところは火口の向かい側となり、お鉢巡りをすれば行けるんですが、この時点でもはや体力ゼロでしたし、頂上での時間がわずか20分程度しかなく、まだ雪の残る火口を覗き込みにいくのが精一杯でした。

富士山制覇の感慨に浸る間もなく下山となるわけですが、これがまた延々と砂礫の道を下り続けるまさに地獄のようなものでした。ここ何日も雨らしい雨がなかったために砂埃がひどく、マスクは必須です。それにちょっと油断すると足を取られてしまうので、体は緊張しっぱなし。そこかしこで転んでる人はいるし、高山病がひどくなったのか、リバーシブルな方も見かけました。いくら降りても降りても終わらないこの下山道は、今こうしてブログを書いている時でさえ苦々しい気分になるほどです。それでも進まないことには終わらないので顔は真っ黒、頭は真っ白になって進みます。五合目に戻ってきた時にはもう抜け殻同然でしたが、自分よりはるかに年配でも全然平気な方もたくさんいて、体力不足を思い知らされました。それでも参加者全員無事に戻ってこられてよかったですし、富士登山が自分にとってツラければツラかったほど、価値があったんだなと思いましょう。

今回のツアーは登山のあとに温泉が組み込まれていて、ここでやっと抜け殻から生き返り、富士山登頂の喜びを感じました。また行きたいかと言われると、まだちょっとご勘弁と答えますが、ちゃんと登れたことはそれなりに自信にもなるし、もはや富士山を眺める時の気分が違います。まったくギリギリのラインだったので、恵まれたお天気には感謝です。1度は富士山…この言葉には自分も賛成ですが、初心者の方にはもうちょっとブームが去ってからがおすすめです。

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富士登山にチャレンジ その2」への3件のフィードバック

  1. お疲れ様でした。
    このようなものに参加するたびに、自分もご年配のバイタリティと体力に驚かされます。
    自分には富士登山は夢のまた夢…。
    体力がありませんわ。

  2. でぃりぃどの>>
    ここはひとつ、ご子息の鍛え直しに。下山後の温泉は格別ですよ。ここも混んでたけど。

    あっぱれどの>>
    富士山はちょっと特別ですからねー、2〜3泊で行けば全然OKよ、きっと。

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