さて、法界寺からは徒歩で醍醐寺へ移動します。
法界寺のあたりは最近になって地下鉄が開通したためか新興住宅地が目立ち、法界寺さんはちょっと肩身が狭そうでした。 それでも確かにアクセスは良くなったので、参拝客は増えるかもしれないですね。ただ、この法界寺から醍醐寺へは2kmちょっとあり、地下鉄を使おうと思っても石田駅まで1km歩き、1駅乗ってまた醍醐寺駅から600mほどと結構無駄な感じ、一方バスはと言うと石田という停留所で乗り換えが必要になってしまいどれも帯に短し…ですね。
まあ自分としては徒歩で問題ないんですが、天候が悪かったり、急いでいたり、お年寄りなどはなかなか悩ましいところでしょう。でも、法界寺と醍醐寺の中間には良いポイントがあり、やっぱり徒歩がおすすめです。そのポイントと言うのが重衡のお墓です。
説明書きによるとここは「重衡の北の方大納言佐局が平家没落後、身をよせていたところと伝えられ、南都焼討の責を問われた重衡が鎌倉から奈良へ引き渡される途中、この地に立ち寄って別れを惜しんだ」ところだそうです。その後、木津河原で首を刎ねられた重衡の遺骸は引き取られてこの地に埋葬されたとか。
今でもガイドブックなどで東大寺を見ると「平重衡に焼かれた」とだけ書かれ、なぜ焼き払われたのかについては全く言及されておらず、800年以上経った今でも、偏った認識でひとり罪をかぶり続ける重衡公が不憫でなりません。でもこうして安息の地が与えられたのは良かったですね。
重衡の墓から醍醐寺道に出て北上していったんですが、京都と奈良を結ぶこの道路、クルマのすれ違いにもちょっと気を使うような細い道ですが、今で言う東海道のようなものだったんでしょうか。いずれにしても歴史の重みを感じますね。そしてほどなく醍醐寺に到着、まずは雨月茶屋でランチにしました。ひとりで訪れるとなかなかこういったお店には入りづらいんですが、こんなときふたりは良いですね。