JH どこまで行っても 1000円

早ければ今月末にも開始されるこの1000円プラン。

土日祝日にETC搭載の普通車以下のみ適用と言うことで、いや、安いことはありがたいことに違いないんですが、どうしていつもこう極端なんでしょうか。

定額給付金を貰うのを「さもしい」と言っていた方が一転「使いまくる」となってしまう政党ですから、もはや何でもアリなんでしょうけど、毎度毎度「思いつき？」としか思えない政策にはもうウンザリです。
この1000円プランにしても、なぜ鉄道に適用させないんでしょうか？暫定税率廃止の声が出た時に「ガソリンを安くして使わせるのは時代に逆行」と反論していたのに「1000円にするからどんどん（ガソリンを使って）クルマに乗りなさい」とはどの口が言うんでしょう。

これが鉄道ならまだ理解が出来ます。例えば現行の青春18切符は、特急券などと組み合わせて使うことが出来ませんが（新幹線に乗れない）、それを許可すればいいんじゃないでしょうか。運賃はどこまで行っても2000円というわけです。使い方もシンプルですし、最低2000円かかるわけですから、ほとんどの私鉄各社や都市部利用者がとりわけ損することもありません。
東名高速など、大型車の速度規制が出来てから走りにくいことこの上ない状態なのに、ここにサンデードライバーが殺到したらどういうことになるか…考えただけでもぞっとします。確かに高速料金は高いと思いますが、適正な料金にしてくれれば（だいたい現行の3～4割引）1000円や無料にする必要は全くないと思います。

前にも書きましたが、経済対策も必要ですが、経済が安定しさえすれば人が皆幸せになれるわけではありません。こんな状況でも何が幸せなのかを再確認するようにしていかなければ、また何年後かに同じことを繰り返すだけのように思います。

ちょっと話はずれますが、自分は小学1年のとき父の転勤で関西から上京して、信濃町、麻布、青山と23の時まで東京都心部にいました。そして13年前、ドーンと田んぼだらけの田舎に移り住んで思ったことは「自分も含めて、東京をはじめ都市部の人間は甘やかされ過ぎて、いち動物としての生き抜く力を持ってないんじゃないか」ということでした。普段は良くても、災害や戦争など有事の時には行政も個人もまったく対応できないんじゃないかと。さらに都市部ではどんどんお金の力が強くなって、それがないと生きていけないような錯覚に陥っています。比較の尺度がすべて「お金」で、損得だけで動くようになっていないでしょうか。そして日本全体がこのような性格になりつつあるのではないか、日本は小さな島国でしかないわけですから、自覚を持って、より謙虚にならないといけないように思うわけです。

高速道路1000円プランは、今度の広島ゆきには間に合いませんが、道路がどういう状態になるのか予測できない分怖いので、逆にホッとしています。
ついでに言うと、大型車は今回のプランに含まれず、不満も出ていますが自分は大型車はもっと高くて良いと思います。莫大な高速道路の修繕費、原因のほとんどは過積載のトラックだと聞いています。普通乗用車だけならほとんど道路が傷まないのであれば、もっと通行料金にも差があってしかるべきです。鉄道会社は保線の費用も当然自社持ちな訳ですから道路を使って営業する以上当然と言えば当然ですね。物価が高くなると言う意見もありますが、それが必要経費なら仕方ないことですし、そろそろ長距離に関しては鉄道貨物を活用するようなシステムを考えていくべきでしょう。
結局のところ政策そのものよりも、こんな政策しか出せない行政にガックリです。

画像は久隅守景の「夕顔棚納涼図屏風」（東京国立博物館蔵/国宝）です。何もないことの豊かさを描いています。