Nゲージを編成で飾るのがこんなにいいとは思いませんでした。
先日購入した北斗星のデラックス編成、ディスプレイケースの都合で4両しか収まらず、機関車にカニとオハネフ、自分らの乗ったデュエットだけでしたが、「やっぱり食堂車やロビーも繋げたい!」と、倍の8両収納可能な120cmのアクリルケースを購入。セットのすべてを収めてみたところ、これがまた想像以上に良くて、日々眺める始末。これまではゆかりのある車両の先頭車のみを並べて満足していましたが、様々な車両がつながるブルトレの魅力もあるんでしょう、すっかり編成でのディスプレイが気に入ってしまいました。
このアクリルケースは、小田急のグッズショップ「TRAINS」のオリジナル商品で、お手頃な価格が魅力。HOとNの両方に対応していて、底板にはレール代わりに溝が切ってあるため、Nゲージであれば2編成収める事ができます。
そうなると、やはり最も思い入れのある列車「下関あさかぜ」も飾りたい。これまでにも何度か紹介しましたが、自分は以前車内販売のバイトで、この「下関あさかぜ」に毎日のように乗っていました。国鉄がJRとなった1987年の春から少しの間は、食堂車のクルーと一緒に「富士」「はやぶさ」に乗りましたが、夏には「あさかぜ」の単独乗務になり、1990年の夏頃まで続けた「青春の列車」です(笑。
当時の「あさかぜ」は、博多行きと下関行きの2本あり、前者(1/4号)をJR東日本、後者(3/2号)をJR西日本が担当。博多編成がA寝台個室や、豪華な食堂車を組み込んで金帯を誇らしげに巻いていたのに対し、下関編成は全車開放B寝台のモノクラス編成で、博多編成の補完的な役割のような存在でした。それがかえって愛着を感じるゆえんでもあったわけですが、飾るとなるといかにも地味で、4両のケースでも事足りてしまうほど。
そこで思い出したのが、自分が降りる直前の1990年頃の編成。バイト末期のわずかな間だったので忘れかけていましたが、下関あさかぜにも大幅なてこ入れが行なわれ、A寝台個室やラウンジカーが連結されるようになりました。これなら、パンタの付いた特異な客車や荷室つきのオハネフ25など特徴のある編成が楽しめます。
しかも、もう一つのメリットとして、北斗星はセット分が全車飾れたとは言っても本来は12両+機関車なので、実際とは違ってしまいますが、下関あさかぜなら広島で分割があるので、広島〜下関間は正真正銘7両+機関車と、実際通りの編成が楽しめます。
そんな90年の下関あさかぜ編成を組むのに手っ取り早いのは、トミックスで販売されているセットの導入ですが、どちらかと言うと24系はKATOの方が希望だし、そもそも北斗星のあとにすぐセットなど買えません。というより、銀帯のブルトレは既にバラバラとストックがあるので、できればこれに追加する形で仕上げたい。
そう言う意味では、特徴的な3両のみがセットになったKATO「ラウンジカーセット」の中古品が魅力ですが、いかんせんモノが1990年と古く、全長が正しいものより4mmほど短いのも気になります。現在単品で販売されている24系25型の車両番号を見ると、なぜかオハネ、オハネフ、カニは、下関あさかぜを見込んだ「広セキ」所属車なので、そのうちまたリニューアル生産されるだろうと、しばらくはモノクラス編成で様子見…と思いかけた矢先に、中古のオハ25 300とオロネ25 300番台を発見。当時「下関あさかぜ」と共通運用していた「瀬戸」のセットからバラされたものとみられ、トミックス製ではありますが、これはこれでストックと組んで面白い編成ができそう…と購入、下の画像のようになりました。オハ25の編成は電源車が要る分、機関車も合わせると9両となり、1両省かないといけなくなりますが、新たなラウンジカーセットが出るまでの暫定という事で。
画像左から、機関車と次の2両はトミックスの入門セットのもので、すべて台車マウントのアーノルドカプラーだったものを機関車はナックルカプラー、客車はKATOカプラーに付け替えています。今回買った金帯の2両は、前のオーナーさんがTNカプラーに付け替えていましたが、これもKATOカプラーに。
問題は残りの3両で、KATOの現行ロットのためボディマウントの伸縮式中間カプラーが付いており、そのままでは連結不可なので、中間カプラーをバラして加工したナックルカプラーを組み入れました。メーカーや生産時期がバラバラなので、色なども違っていますが、かえって実車的で気に入りました。面白いのが、すべての客車にはあらかじめ車番が付いていたにもかかわらず、すべて広セキ&広ヒロ所属の車両たちであること。
- 機関車:EF66 53(トミックス入門セット)
- 7号車:オハネフ25 136(トミックス入門セット)
- 6号車:オハネ25 171(トミックス入門セット)
- 5号車:欠
- 4号車:オハ25 302(トミックス瀬戸セット)
- 3号車:オロネ25 305(トミックス瀬戸セット)
- 2号車:オハネ25 156(KATO 単品)
- 1号車:オハネフ25 312(KATO 単品)
- 電源車:カニ24 103(KATO 単品)
オハ25 300ラウンジカー、屋根が低く、パンタの付いたスハほどではありませんが、編成のいいアクセントになっています。北斗星の食堂車と違って、12系改造のため、車体長や基本的な断面形状が揃っているのがいいです。奥がA寝台のオロネ25 300、当時こういう車両が付いたことは乗務するまで知らなかったんですが、「ああ、下関編成もついにこんなのがついたんだな〜」と思ったのを覚えています。
現行型KATO車との連結、青の色味が結構違います。カプラーはKATOの伸縮密自連(6062C3)をトミックス車に接着する方法と迷いましたが、そのままだと高さがズレそうだったので、KATO車側のカプラーを加工。こちらの方が元に戻せますが、車間は割と大きめ、オロネのカプラーもジャンパ栓の相方がないままです。
車内販売の基地は、右側2号車の端、幅の狭い窓のところにありました。フツーの寝台そのままなので、ちょっと気恥ずかしかったのと、夜中はなるべく音を立てないように気を使ったのを覚えています。もちろん、営業終了後はここの寝台で寝るわけです。
この編成にちょっとしたスパイスを利かせてくれるのが、電源車の隣、オハネフ25の1号車です。通常、オハネフは200番台を除いて東京方を向いているんですが、130〜132の3両は方向転換可能な車両に改造されました。KATOのオハネフに印刷された車番はなんと、これに該当する132というわけで、下関向きにして繋いでいます。
当然通路もこれだけ逆サイドとなり、車販のときも不思議に思っていましたが、改造後も元の向きでも繋げられるのに、なぜわざわざ向きを変えたのかは分かりません。
機関車とそれに続く2両はトミックスの入門セット、カプラーを替えたらいい感じの車間になってくれました。
この機関車に続くオハネフの乗務員室(奥側)は、車内販売の折り返しの休憩時や、営業時間後によく入って外を眺めていました。間近に機関車のナンバープレートが見えるわけですが、42号機に当たる事がわりと多かったと記憶しています。42号機はEF66のなかでも早い時期に下枠交差型のパンタグラフに換装された個体。入門用の機関車は子供でも遊べるように、あらかじめ53号機に設定され、手すりや開放テコなどの細かいパーツが省略されていますが、将来KATOのモデルがリニューアルされたりしたら、新たに一般モデルを入手して42号機の設定にしたいところ。それにしても、まだ完璧ではありませんが、懐かしい編成が飾れてまずは満足。