手打蕎麦 ゆい

新蕎麦の季節、今回は養老渓谷にある「手打蕎麦ゆい」に行ってみました。

だいたいどこも今月半ばから新蕎麦になって、冷たいおそばが寒くて食べにくくなる11月前半までの間が蕎麦にはもっともいい時期かも知れない…と思っていたところへ、先日訪れた大多喜町の観光案内所に置かれていた宣伝用の葉書から「ゆい」の存在を知ったので、早速行ってみた。
養老渓谷はウチから約40分程度の場所で、行くまでの適度なワインディングが楽しい。温泉街を過ぎたところで旧道に入り、しばらく進むと「ゆい」はあった。

去年の11月オープンなので、まだ1年にも満たない新しいお店だが、御宿の幸七と同じく、建物には築120年の古民家を利用している。ただし、幸七が、土間のテーブル席と座敷で構成されているのに対し、こちらは畳の代わりに板を敷き、席は全てテーブルだ。きっとご主人も悩まれたのだろうが、板敷きにしたのはちょっとどうだろうと思う。
板敷きであるがゆえに、お店に入るには全員靴を脱いでスリッパを履かねばならない。前にもどこかで書いたと思うが、個人的には不特定多数の人が使うスリッパを履く事には少なからず抵抗がある。
また、古民家だけにその部屋のつくりは、畳に座ったときの低い目線に合わせてできているはずで、板敷きの上に置いた椅子に座っている状態では、目線が高くてどうにも落ち着かない。くつろげる空間を狙って使ったはずの古民家が生かされていないと思うのだ。

また、新しいからとか、店員さんがちょっとシャイだからと言うのもあろうが、店内の空気がちょっと固い。凛とした緊張感を持ちながらもくつろげる雰囲気と言うのは実際あるもので、それは固いこととはちょっと違うものだ。

そう言えばこのお店は入り口を入る時に「ペットは車内に(留守番させておいてください)」という看板と、「禁煙」という看板が見られ、入り口をあがったところでは「(陶器を展示してある部屋への)子供の立ち入りはご遠慮ください」という注意書きが見られる。確かにこれらはどれも、守ってもらわなければ困ることだが、こう立て続けにダメダメとくると、気持が硬直してしまう。できれば1枚古風な立て札でも立てて、「ようこそいらっしゃいました、この建築は云々…、どうぞごゆっくり云々…ときて、その下に大変恐縮ですがペットは…」としたほうが良いのではないか。しかし大きく書かないと守れない者が多くて、やむを得ずだったのかも知れない。

さて、肝心の蕎麦だが、北海道九割蕎麦のせいろと田舎そばの2色盛りを注文。とくにせいろが鮮烈で清々しく美味しかった。また付け合わせの野菜がとても美味しい。鮮烈な中にほのかな甘みも感じられて、きっとキチンとした野菜なんだろうと思う。
このお店では一般的なお箸を提供する(言えば割箸も用意されている)が、これはとても良いと思う。たしかにこれとて不特定多数の人が使うわけだけれど、毎回洗われているわけだし、なにより蕎麦が食べやすい。これひとつで一層美味しく感じられると言うもので、環境への配慮もあろうが、是非本来の意味で支持したいもの。

まだまだ1年目、足りない面もあるけれど、志はとてもよく感じるので、今後がとても楽しみだし、ぜひ頑張ってもらいたいお蕎麦屋だ。

蕎麦のあとは10分ほど走ったところにある温泉施設「ごりやくの湯」を下見。養老渓谷はここをはじめ日帰りで気楽に利用できる温泉施設がいくつもあり、蕎麦&温泉&ワインディングのセットが楽しめそうだ。これから紅葉の時期にはかなり混雑してしまうが、比較的凍結の少ない房総だけに、紅葉が終わったあとにもまた、ユックリ楽しめるかも知れない。
手打蕎麦 ゆい

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手打蕎麦 ゆい」への5件のフィードバック

  1. なかなか趣きのある佇まいのお店ですね。
    お蕎麦の方も、写真で見る限りとても美味しそう。
    外食って味はもちろんだけど、雰囲気を楽しむっていうのも大事ですから、その辺りの気配りに気を使って欲しいですね。

  2. >>あっっぱれどの
    そーなんですよ、雰囲気は大事ですよね。でもここは有望かなと思いますよ。あ、とんかつ行かなくっちゃ。
    >>ちょめもどの
    行きやしょう~。ワインディングもお預けになってましたしね。
    >>でぃりぃどの
    アクアラインも29日から通勤割引が適用になるので、そーすると1500円なんですよ。こりゃチャーンス。
    >>45さん
    おお、精力的に走り込んでますねぇ。見学にいこーかなぁ(笑

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