MUSEUM as it is

房総に移り住んでからの11年間、これほど素晴らしい空間がスグ近くに存在していた事を知らずにいたのは不覚の極みと言うべきか。

MUSEUM as it isは、目白で「古道具坂田」を営む坂田和實氏が、世界各国の古道具、工芸品を展示するために作った小さな美術館で、自宅よりクルマで約20分程度のところにある。ユートピア笠森のすぐ裏手に位置し、これまでに何度もクルマで近くを通っていたのだが、全然気づかなかった。
ひょんな事から情報を入手したので、今日かみさんを連れて訪れた。

真ん中の扉は16世紀にスペインで使われていたものとか。かなりの重量らしい。

2階部分。反対側、螺旋階段の上はスタッフオンリーとなっている。

階段の手すり、非常に触り心地がよく、握りやすいしデザインも美しい。
このミュージアムを設計したのは、気取らない「ジーンズのような家」を理想に掲げ、住み手の評価が抜群に高いことで知られる中村好文氏。as it isは民家でこそないが、非常に柔らかい雰囲気に包まれ、素朴だがきちんと整理された空間がそこにあった。展示品である古道具に合わせてきたのか、建物には使い込むほどに馴染み、味わい深くなる要素が満載で、結果的に秋に訪れた藤森照信氏の神長官守矢史料館に通じるものが感じられた。

展示物をひととおり見終わる頃に、スタッフの方から声がかかり、珈琲かお茶がいただけるとのこと。こんな素敵な空間でお茶を頂けるなんて素晴らしい。奥のテーブル席や、木臼を裏返した机を使って、庭を眺めながら堪能できる。ここの入場料は800円だけれど、これを考えたら決して高くはない。なお、as it isには維持協賛会員というのがあり、年間1万円を納めると、本人および同伴者1名の入館料が無料、ショップの商品が10%OFFなどの特典が与えられる。95年にオープンし、もう12年になるそうだが、今後も生き続けて欲しいし、悩ましいところではある。

中村氏考案の鍵。

庭から見た建物。土壁の材料は建設時に出た土に藁をまぜてつくったもの。

建物の隅および室内間口の木枠にはすべて丸みをもたせてあり、とても優しい雰囲気が感じられる。
なお、ここはトイレにも展示物があるので、是非入室するべし。今後もちょくちょく訪れたいが、ここは金曜日と土日、祝日しかオープンしていない。開館時間は10時半から16時まで。

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MUSEUM as it is」への5件のフィードバック

  1. おぉう!
    コレが件の美術館ですね。
    無茶苦茶良い所じゃないですか。
    自宅からも結構近いので早速行ってみますよ!!
    ところで千倉にある海岸美術館(浅井愼平氏)に通じるものがありますね。
    海岸美術館は結構好きで3度程訪れたことがあります。

  2. 中村好文さんのお家、大好きです。
    新潮社「住宅読本」を読み、こんな
    家に住みたいと妄想する私。

  3. >>ちょこめいさん
    そうなんですよ、ここなんです。Kahan茶屋ツアーでご案内しますよ。このツアーは宇左エ門で蕎麦ランチのあと、ここでお茶、オプションで笠森観音があって、Kahan茶屋に戻ると言うスケジュール予定です。
    >>てつこさん
    住宅読本、今日落札しちゃいまして、お借りすればよかったですねー。うちには「普段着の住宅術」があるんですが、この人の他の本ちょっと高いんですよねー。安く中古で出るのを待っているところです。

  4. オオッ、言っていた物件ですね。
    なかなか気持ち良さそうな空間ですね。
    私も機会を作っていかなくてはですなぁ。

  5. >>YUPAさん
    そーでうそーです。なによりお茶を飲めるのがいいなーと思いましてね。ちょっと遠くなってしまいましたが、機会があったらぜひ。

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