20日、かみさんと東博で開催中の「クリーブランド美術館展」に行ってきました。
なんでも、クリーブランド美術館では新たに日本ギャラリーが開設されたそうで、これを記念しての里帰り展覧会というわけですが、「行こう行こう」と思いながらも、関西から戻ってからしばらくは体調を崩してしまい、治った頃にはまさかの大雪ですっかり開催期限間近になってしまいました。それでもお目当ての俵屋宗達を含め「無事に行けて良かった」と思えるだけの内容で、相当に楽しめました。
いつもは朝一番で乗り込むんですが、2日前に起こったフォードKAのヘッドライトバルブの球切れのため、朝一で乗り込んだのはオートアールズ。その後電車で東京へ向かいますが、お昼を回ってしまったので、一旦東京駅で下車、丸の内側へと向かいます。
なんだかもう来るたびに変わっている丸の内ですが、向かったのは東京ビルTOKIA。じつはここの地下一階にお目当てのお店があるんです。
梅田の阪急三番街で慣れ親しんできたインディアンカレーが、ついに東京進出。ま、大阪の味は大阪で…と考えたい方ではあるんですが、大好きな店なだけにここは素直に喜びます。三番街にくらべるとちょっと小振りですが、インディアンさんもご健在。店内のテーブルの造形も三番街に通じるもので、ちょっと関西にいるような錯覚を覚えます。
そして出てきた、あの「甘いのに辛〜いカレー」。もちろんみんな大好き「キャベツのピクルス」もあります。時間は12半を回った頃でしたが、お客さんもひっきりなしで、ちかくのうどん屋のように並んではいませんでしたが、好評のようです。ただ、聞こえてくる会話から、みなさん大阪で食した経験がおありのようで。
食後に上野に向かって、展覧会へ。冒頭の雷神図屛風は目玉のひとつで、宗達工房を表す「伊年」印もあるんですが、例の国宝に比べると雷神の顔はともかく、ヒラヒラの線など勢いがなく、かなり劣っているように感じでいきなりテンションが下がります。でも進んでいくにつれて国宝級の圧巻なものではないにしても、粋な素晴らしい作品がかなりありました。
袈裟を繕う顔が秀逸な成賢僧正像、大男を等身大で描いた渡辺華山の大空武左衛門像。また、放屁の芸によって長者になった者をまねて失敗したという者を描いた福富草紙絵巻は室町時代の作ながらかなりリアルで面白い。鎌倉時代の古い作品が多かったのもいいですね。
個人的には今回最も気に入ったのは、伝海北友松の「松に椿・竹に朝顔図屛風」と、作者は分かりませんが「薄図屏風」。前者はとても繊細でぼかし具合と色の差し方が素晴らしい作品。後者は薄の穂が経年劣化で見えづらくなっているのが残念ですが、「室町時代にこんなミニマルでオシャレな絵があったのか!」と驚かされました。尾形光琳などは、実はこの絵を見ていたんじゃないでしょうか。葉のラインもとても生き生きとしていて、描かれた直後がどんな感じだったのかとても知りたくなります。
さて、東博のお次は3月末から始まる、開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」ですね、こちらも楽しみです。