急行はまなすの青森到着は5:39。雪の中、こんな早朝に出されても…
という心配はご無用。駅のすぐそばにあるショッピングビル「 アウガ」の地下にある新鮮市場は、はまなす客を狙いすましたかのように朝5時にはオープン。その一角には獲れたての魚が味わえるお店があるんです。
とはいえ、はまなすも夜行フェリーのように到着後しばらく寝ててもOKだと喜ばれると思うんですけどね。
いくつかある中で立ち寄ったすし処三國でいただいたのは、画像の三色丼(1800円)に、かみさんはマグロの中落ち丼(1000円)。前回の函館は季節から戸井産マグロは見送りましたが、青森ではぜひ食べてみたかった!身が綺麗でキメも細かく美味しい。ついてくる味噌汁もアラ汁ではなくドカーンとタラの身があってこれもまた旨い。しかし、まだ寝ぼけてたのか、日本酒を頼み忘れるという重大なミステイクを。
もともとは午後までブラブラして新幹線に2駅乗り、八戸へ行く予定だったんですが、雪用スパイクがあればそれなりに歩けることがわかり、じゃあ、ってことで大好きな城も塔も庭もあるりんごのまち、弘前へといきなり予定変更、再び電車に飛び乗りました。
奥羽本線の車窓は見事な雪景色。やはり北海道よりも明らかに多く、実際自分たちが帰った数日後にはトワイライトEXPが立ち往生してしまうほど。でも終始見えている岩木山の姿は美しく感動します。
弘前に着くとまず駅前の東横インに行って本日分を予約、奥のロビーでwifiをお借りして八戸の宿をキャンセルします。
荷物はホテルへ預け、バスで最勝院へ。真っ白な中での赤い五重塔が印象的。江戸初期の建立と伝えられるこの塔は、重要文化財指定の際に「實に東北地方第一ノ美塔ナリ」と言われたそうです。たしかに逓減率が高く、非常にバランスの良いプロポーションをしており、また意匠も精緻で緻密な仕上がり。ただ、惜しいのは軒反りでしょうか、もう少し木造建築らしい生き生きとした反りを見せて欲しかった。
その後、途中ねぷた祭の山車展示館や洋館などを見つつ藤田記念庭園へ。ここは遠く岩木山を望める見事な池泉庭園があるんですが、冬季はお休みでした。というか、ちょっと覗いてみても雪で覆われてどんな庭かぜんぜんわからない有様、残念ですがこれは休業もやむなしです。
お次は、今や日本を代表する桜の名所として名高い弘前城。現在、約一週間後に控えた弘前雪灯篭まつりの準備がそこかしこで見られますが、予定を変更してまで弘前に来た理由がここにあります。
この弘前城の天守ですが、石垣崩落の危険があるため、ことしから修復工事が始まります。すでにお堀の埋め立てなどは始まっており、5月から天守が70mほど本丸中心方向へ移動(曳屋)、石垣を修理した上で元に戻すわけですが、この間15年もの歳月が見込まれており、この雪景色も当分見納め…ということになるわけです。
それにしてもこの天守、小さい…というか、櫓っぽい。それもそのはず、以前あった5層5階の天守閣は、城の落成からからわずか18年で落雷により焼失、それから約200年ほど天守のない状態が続いたのちにやっと御三階櫓を建築、これを後に天守と呼ぶようにしたとか。ただ、櫓として再建されたのは、当時幕府の規制があったためなど、興味深い背景はあるようです。
本丸跡からは目の前に岩木山がそびえ立つ素晴らしい景色が望めます。(トップ画像)雪灯篭祭の小さいカマクラがたくさんあり、当日はどんな景色なんるのかと思いますが、夜だと灯篭はよく見えても、こうして岩木山は見えないんですよね。
城のあとは一旦ホテルへ戻りますが、その前に駅で弘前名物のアップルパイを購入。歩き疲れたカラダにこれがまた美味しい、りんごが名産っていいですね。
夜は駅から近い居酒屋「ワイワイ」で、海の幸や青森名物じゃっぱ汁、貝焼き味噌などを楽しみました。もちろん日本酒も頼んだんですが、ちょうどこの日、地元弘前で「白神」を醸していた白神酒造さんの蔵が全焼というショッキングなニュースが…。
原因などはわかりませんが、時期も時期だけに関係者の落胆は相当なものでしょう。
何かの役に立つわけでもないですが、白神の山廃純米、心して味わわせていただきました。いつかまた、再醸造できますように。