新宿までわざわざ向かったワケは、ロマンスカーでした。
やはり去年のことがあったので、FSWではまた散々な思いをする恐怖感が拭い切れず、それでも1人ならなんとかなるんですが、嫁も一緒だとそれなりに”レクリエーション係”としての責任も感じてしまいます。そこで、「でもロマンスカーは良かったね」というように観戦ツアー全体を楽しめるようにしたもの。言ってみればデジカメの購入もそんな中のひとつなわけです。
小田急は小学生の頃に代々木上原~南新宿間を、高校~大学時代に上原~玉川学園~南林間を通った思い出深い路線。ロマンスカーにも何度も乗りました。
今はネットでロマンスカーの空席検索&予約ができるらしく、現役の中では最も古く、思い出深いLSEというタイプの展望席2列目を確保、ずいぶんと便利になったものです。
発車の1時間ほど前に新宿に着いたので、小田急のデパ地下でお弁当を物色。相変わらず列車内でお弁当を食べるのが大好きなんですが、普通の駅弁に少々高めのお代を払うなら、デパ地下のお弁当でグレードアップした方が美味しそうと言うわけです。
時間になったので改札を入り、ホームの端にあるカフェで珈琲を購入、これで車内ではユックリくつろげます。
すでに入線していた電車は予約時に指定した通りのLSEですが、塗装がデビュー当時(窓枠の色が違うそうですが)のものに塗り替えられた編成でした。もともとはロマンスカー50周年記念で期間限定で塗り替えられたらしいんですが、期間終了後もそのままになっているとか。やっぱりロマンスカーと言えばこの宮永岳彦氏デザインのカラーリングです。最近は安易に白基調にしたものが多過ぎますね。1980年にこの電車が登場した時にはエラいカッコいいなーと憧れたものです。この形式以降最近までロマンスカーデザインは冬の時代にはいってしまいましたが、あれからもう30年近くにもなるとは早いですね。
さて、いよいよ乗り込みますが、当時は乗る時に特急券を見せていたなあと用意していたところ、その必要はないらしくどの扉からも乗れるようになったんですね。
車内はシートの色が変わっていましたが、表皮だけの変更だったのか、クッションが相当へたっていて、座るとお尻がシート内の板にあたってしまいます。最新のロマンスカーと料金が変わるわけでもなく、これはちょっといただけないですが、この状態でなお手が入れられないと言うことは、引退の時期が迫っていると言うことでしょうか。
14時10分に発車をし、南新宿からはしばらくは昔ながらの風景ですが、代々木上原から工事区間が始まり、世田谷代田から複々線のまったく知らない光景に。高架線になって景色が分かりにくいのと、駅の形が似通っているので、そのうちどこだか分からなくなってしまいますね。展望室からの眺めをニューデジカメの動画で収めようと思ったんですが、あいにく逆光で、ウィンドウの汚ればかりが目立つものとなってしまいました。
向ケ丘遊園からまた馴染みのある景色に戻り、新百合ケ丘からはスピードも出るようになってきたんですが、結構揺れます。電車は真ん中が一番揺れないと言われますが、ここまで揺れるのは相当ヤレてきているんでしょうか。看板電車だった頃を思うとちょっと寂しい気がします。そう言えばすれ違う普通の車輛も京浜東北線と区別のつかないステンレスのものが多くなっていました。最近の学生たちは冷房のない電車など知らないんでしょうね。
約1時間ほどで小田原駅に到着。かわいい登山電車を見たかったんですが、何と今は登山電車は小田原駅まで来ないんですね。驚きました。余興で乗ったロマンスカーでしたが、時代の流れを相当感じることになりました。