前回に続き、今回の帰省も帰りはサンライズエクスプレスに決めていました。
今回は赤穂市の有年で墓参りをした後に帰るので、当初姫路から乗る予定で予約したものの、サンライズが姫路を出るのが23時半、これはきっと発車時刻まで持て余すと、岡山まで行ってから帰ってくることにしました。
有年から岡山までは1140円ですが、浜野(千葉市)からの往復乗車券なら、片道585円分足すだけで済みます。でも、岡山まで行くとなると、ただ時間調整のためだけなのはなんともモッタイナイ。どうせなら界隈をうろつきたいと、同じ運賃でどこまでいけるかを調べたところ、山陽線なら倉敷の次の西阿知駅、吉備線なら総社の1つ手前の東総社まで…、というわけで、乗車券は東総社往復での購入です。
嫁の実家の和歌山で過ごした後、大阪に1泊して翌朝、まずは有年(赤穂市)へ。普通なら乗車券のあるJRに乗るんですが、そこはやはり三ノ宮まで阪急電車に乗るのが小学生の頃からのしきたり。
朝6時前の阪急梅田駅は、さすがに人影もまばらで、最近リニューアルした内装とあいまって新鮮な感じ。今日の長い1日は6時10分発の特急 新開地行きからスタートです。
乗車したのは最新鋭の1000系、それまでモデルチェンジのたびにクドくなっていた顔を大きく見直して、長らく伝統だった貫通扉の幌枠を廃するなど、スッキリさせたことには好感がもてますが、内装はちょっと残念でした。
歪みの目立つ木目パネルに緊張感のない形状のシート両端の仕切り、ユニットバスのように簡素化された天井、そしてシートが表皮こそアンゴラヤギさんのものですが、以前より掛け心地が悪い気が…。感覚の話なので実際どうかはわかりませんが、以前より多少硬く、そして座面の奥行きが減ったような気がしました。お得意の細かい改良に期待ですね。
三ノ宮でJRの新快速に乗り換え。平日の早朝下りなので座れるかと思いきや相当な乗車率。これは姫路で乗り換えた普通電車でも続き、どうやら青春18きっぷの方々のようです。相生から先も山陽線へ進む列車がほとんどなくなった今、岡山行きは彼らにとって貴重な列車…というわけです。
そして有年駅に到着。橋上駅舎化の進む同駅では、ついに旧1番線のレールが撤去されてしまいました。もともと3番線までと通過線、引込線2本の計6線もありましたが、新駅完成時には2線のみの平凡な駅になってしまうようです。
墓参りから戻ってきて見た駅舎は、現在このように新旧かさなって見えますが、旧駅舎が姿を消してしまうのも時間の問題でしょうか。個人的なノスタルジーですが、1890年開設当時の面影を残しているという、昔ながらの駅が持つ独特の風格が失われてしまうのは寂しい限りです。
さて、有年からいよいよ岡山へと向かいますが、岡山行きの次の電車までは相当時間があります。乗っても混んでいる確率大なので、ここは相生に戻って新幹線を利用することに。新幹線は1駅だと特急料金が安めに設定されているので、ちょっとお得。
相生駅の新幹線乗り換え表示のイラストは、いまだに2階建ての頃のままです。
岡山での観光については次回に譲るとして、ここは一気に帰りのサンライズです。サンライズに乗るのは3回目で、1回目のシングルツイン、2回目のノビノビ座席に続いて今回は初のシングル。ノビノビと随分迷ったんですが、シングルに乗ってみたかったのと、夏のノビノビは匂いで困るかも…というわけです。
乗車するのは7号車で、今回もまた「出雲」、いまだ「瀬戸」の乗車経験はゼロです。列車は瀬戸の方が先に入線してきますが、瀬戸がほぼ定刻だったのに対して、出雲は10分程度の遅れでした。
12mmの広角レンズを持ってこなかったので、ちょっと分かりづらいですがこれがサンライズシングルの2階席です。サンライズエクスプレスの編成全5本は全てリニューアルが終わっているので、内装ヤレヤレのものに当たる心配はありません。リニューアルされた以上、まだ当分寝台特急として頑張ってくれそうです。
それにしても、このシングルが実に快適で岡山〜東京8時間半程度ではもったいないくらい。寝台特急の衰退著しい昨今ですが、外国人観光客が多いいま、日本の主要観光地のひとつである広島方面へのサンライズあさかぜ号の復活を夢見てしまいます。
サンライズにはソロというもう少し狭いタイプの個室がありますが、もし増備の際はこれを開放B寝台にして(寝台の向きはソロと同じで)、寝台料金を税抜5000円くらいにしてくれたら、往年の夜汽車の雰囲気も気軽に味わえて楽しそう。
東京駅にはまたしても定時に到着。そのまま京葉線ホームへ降りると、なんとそこにはサンライズの先輩が停まっていました。やはり存在感あります。
このところ青函DCで頑張っていたようですが、そんな姿を見るにつけ寝台電車を使った、品川から奥羽本線経由で青森まで行く、サンライズあけぼのがあればきっと利用するだろうに…とついつい考えてしまいました。