備中高梁から瀬戸大橋を渡って訪れた高松でのお目当は栗林公園です。
栗林公園はもともと地方豪族の屋敷だったものを讃岐国国主の生駒氏、そして生駒家改易後に高松藩主として入封した松平氏が、じつに150年もの歳月をかけて作り上げたものです。
日本庭園好きながら、もうひとつ興味が湧かなかった大名庭園の中で、滋賀の玄宮園と徳島城の庭園、そしてこの栗林公園の3つだけは別で、以前から是非とも訪れたかったところでした。とくに栗林公園は2006年に雨に降られて断念したことから、じつに9年ぶりのリベンジとなります。
夏の栗林公園の朝はかなり早く、5時半から入場ができます。自分は朝食後、ホテルからわずか160mの北門から7時過ぎに入場、さっそく蓮の花達がお出迎えです。これだけで満足しそうなくらいですが、一旦群鴨池に出たのち、西側のルートを南へと進みます。
紫雲山麓の西湖に沿って進んでいくと、中国の景勝地「赤壁」を見立てたという石壁があります。園内の景観に多様性を求めるのは、大名庭園の特徴でしょうか。
さらに西へ進むと、栗林公園の発祥の地とされる小普陀と呼ばれる築山があり、力強い石組が見られます。当時の豪族、佐藤氏の邸宅はこのすぐ西側(右側)にあったとか。石組は室町時代のものとされ、なるほど他とは明らかに雰囲気が異なっていて、素朴ながら求心力のあるいい石組です。
最初モヤっていた天気もどんどんよくなり、随分と暑くなってきました。掬月亭で休憩したいところですが、9時のオープンまでにはまだ少々時間があり、涵翠池の奇岩を眺めつつ待ちます。
栗林公園には、従来の日本庭園のものとは趣の違う奇岩が数多く据えられています。この手の石じたいはあまり好みではないものの、かつての大飢饉のおり、頼経公が失業対策を兼ねて栗林公園の普請をはじめ、同時に奇石珍木を買い上げることで困窮を救った…という素敵な謂れのあるものです。
鷺がしばしお相手をしてくれましたが、あまりにおあつらえ向きに立っていたので、見つけた時は置物かと思いました。
掬月亭は南庭の中核となる数奇屋風書院造りの建物で、江戸初期に建てられたとされています。現在、大小5棟が連なっていますが、当初はさらに北側(画像手前側)にもう2棟あって、北斗七星のように配置されていたことから「星斗館」と呼ばれたそうです。
この暑さに待っているのを見かねたのか、掬月亭の優しいおばさまに開店前に入れていただいたのですが、じつは待ってでも掬月亭に一番に入りたかったのにはワケがあります。
それがここ、南湖に突き出たような掬月の間の写真を撮りたかったんです。はじめ、お茶はここでいただくと思っていたので、他のお客様が見える前に…と思っていたんですが、じつは手前の間でいただくので、そうまで張り付いてなくともよかったというワケ。でも、おかげでこの素晴らしい間を思う存分堪能できました。
歴代藩主が大茶屋と呼んでこよなく愛した掬月亭、外からの眺めも秀逸です。
さて、いよいよ栗林公園のメインスポット飛来峰へ。富士山を模した築山からの眺めは「我ガ国ニテ風致ノ美ヲ以テ世ニ聞エタルハ、水戸ノ偕楽園、金沢ノ兼六園、岡山ノ後楽園ニシテ、之ヲ日本ノ三公園ト称ス。然レドモ高松ノ栗林公園ハ木石ノ雅趣却ツテ批ノ三公園ニ優レリ」と謳われたものです。
紫雲山を借景としたその眺めはまさに絶景、まるで絵画をみているかのような世界がそこに広がっています。
それにしてもこの晴れっぷりは本当にラッキーでした。この眺めをカメラに収めるために、今回PLフィルターを購入していたんですけども、効果テキメン、装着するレンズのF値が4〜5.6と暗いので、曇ってたら相当使いづらかったと思います。
続いて、すこし北に進んだところにある芙蓉峰からの北湖の眺め。梅林橋の赤が映えます。栗林公園で感じたのは松の木の姿の良さ、園内には1000本もの松の木があるそうですが、とても手入れの行き届いた観賞に値するものでした。
飛来峰、芙蓉峰からの眺めは、ともに紫雲山をバックに繊細かつ雄大なものですが、瞰鴨閣からの群鴨池の眺めは背景にビルが入ってしまってちょっと興醒め。都市部にある以上仕方のないことですが、それだけに紫雲山のもつ役割の大きさを実感します。
ようやく実現した栗林公園訪問、素晴らしい眺めに大満足でした。また機会があれば季節や時間帯を変えて訪れたいものです。結局5時間ほど滞在しましたが、なにしろ23万坪もの広い敷地、まだまだ新たな発見があることでしょう。
書込は久しぶりです。
本編には無関係なコメントですが
オススメイベント&キャンペーン
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メンテナンスが無料で受けられるみたいなので、行ってみてはどうでしょう。
どーも、安曇野は残念でした。
このイベントいいですねぇ、タイミングが合えば行ってみたいです。
じつは・・・・もっと大きなイベントに参加してたんです
NSXの方。
なるほどー、ゆる〜く付き合うのが、長く続けるコツですから、それぞれの都合で参加されるのはいいことですね。