今週はヨーロッパGPウィークだが、このところ気になるところを少し。
・井手選手更迭の噂
これは正直なところ非常に腹立たしいものだ。噂にすぎないのでその信憑性は定かではないが、井出選手のパフォーマンスが琢磨に比べて著しく低い事によるらしい。しかし、こんなやり方なら既存のヨーロッパチームにでもできるもので、一体何がジャパンチームなのだろうか。しかもこの発言はチーム運営を行なっているダニエル・オーデットより発せられているそうではないか。以前、チーム監督の鈴木亜久里自身や、右京、高木などが日本人と言うだけで満足に走る環境を与えられないままに撤退せざるを得なかった悔しさがスーパーアグリでも同じなのならば、我々ファンにとってはまったく参戦した意味はないと言えるのではないだろうか。
やはり、そのような事をするならば、少なくともそれなりの体制を敷いたうえで判断して頂きたい。聞くところによるとマシンは空港に展示されていたものに手を加えただけのもののうえ、シートは依然井出専用ではなく、4年前のフレンツェンのシートのまま。その上担当エンジニアはF1経験がないためにセットアップもろくに出来ず、ピット作業も非常に低レベルで、チームの力はほとんど琢磨の方に注がれてしまっている。ホンダやフェラーリでもセカンドドライバーには満足な環境を与えられないと言う中で、井手選手の置かれた状況には想像を絶するものがあるはずだ。
少なくとも井手選手自身はドライバー人生をかけるつもりで日本を飛び出して来たわけで、それに応えられずに申し訳ないと言うどころか「更迭」の話を持ち出すとはまったく耳を疑う。
結局スーパーアグリは、琢磨をクビにしたことによる抗議にビビったホンダが、矛先をかわすために急造したチームに過ぎないのだろうか?
・クルサード選手の去就
先日何気なくニフティF-1を見ていたら、「今季限りで放出」とのニュースが。なんだこれはーと思いながら別のサイトを見ると「クルサード レッドブルと契約更新へ」とある。まあ日本では相変わらずニキ氏が根拠不明の飛ばし記事を書き続けているし、F-1ストーブリーグのニュースの世界なんてこんなものだろう。「契約更新」記事の方は、「エイドリアン・ニューウィはクルサードがいたのでレッドブルに来た。だからチームを強くする可能性のあるふたりのパートナーシップを壊すのは馬鹿げている。」ともっともらしいコメントも紹介、信憑性を高めているが果たしてどうだろう。個人的にもやはりもういちどニューウィーのデザインするクルマで戦って欲しいところではある。
・F-1チケットの話
先月、日本グランプリのチケットが発売されたが、今年の売れ行きはスゴイらしい。現時点でほぼ売り切れとまで言われている。その理由が「トヨタ・ホンダの参戦」「日本人2人の参戦」「鈴鹿でのラストレース」とされているが、1つめの理由は今年が最初ではないし、速さを見せているならあり得るが、今年はそうでもない。2つめも確かに2人いるけども、どんじりを快走中だ。3つめもインパクトとしては弱い。どれもそれなりに理由にはなっているんだろうけれど、小生はほかの理由を感じている。それはオークションを見れば明らかだ。インターネットオークションが一般化されて久しいが、まだまだ普及は加速度的にひろまりつつある。そのオークションに発売と同時にF-1チケットが並んでいるのだ。実券もあれば、ローソンチケットなどの予約番号を販売する「購入権利」などというものもある。つまり、F-1にはまったく興味がなく、ハナから金儲けのつもりでチケットを購入、或は予約している輩が爆発的に増えているということだ。彼らにとっては、仮にとれなければそれはそれでよく、また別のワールドカップなど売切れ必至のイベントを狙うのだろう。
以前から確かにこういった傾向はあったし、鈴鹿周辺の宿泊施設の「予約権利」などというものまで目にしたが、依然として増え続けていると言う事なのだろう。これによって純粋に観戦したいものは、チケット入手が難しくなるだけではなく、価格が上昇し、ただでさえ高いチケットがもっと高くなってしまうのだ。オークション出品者にはきっと元ライブドア堀江氏や、村上ファンドの村上氏と同じような血が流れているに違いない。一種のダフ屋行為として取り締まれないものだろうか。