おかげさまで9月20日に44歳を迎えました。
嫁が19日(木)と20日(金)にお休みがとれたとのことで、近場の温泉旅行を企画することにしました。もともと温泉がそんなに好きな方ではなかったんですが、めぐのことをはじめ、個人的にしんどい1年だったことや、そんな自分を支えてくれた嫁もきっと疲れがたまっているだろうと考えてのイベントです。また春に訪れた別府温泉が思いのほか良かったこともあります。関東の温泉なら草津か伊香保か…と群馬辺りを探しはじめたところ、ちょうど楽天トラベルのスーパーセールで四万温泉の積善館という古いお宿のプランがオトク!というわけで、泊まってみることにしました。 積善館は四万温泉を代表する湯宿で、江戸時代は元禄年間に建てられたと言う本館は、現存する日本最古の湯宿建築として群馬県の重要文化財に登録されています。当時は2階建ての外廊下スタイルで、玄関の破風は後に取付けられたそうですが、階段など一部古写真にも見られる遺構が確認できます。
ところで、今回宿泊したのはこの本館ではなく、昭和になって本館の裏山に増築され、「和風の粋を集めた技巧を凝らした桃山様式」として国登録有形文化財、群馬県近代化遺産に指定されている「山荘」と呼ばれるところで、次の間つきのひろ〜い和室でしかも角部屋。数々の細かな意匠が目を楽しませてくれます。「山荘」へはさらに上に増築された「佳松亭」と呼ばれる棟から入りますが、本館へも通路で繋がっており、この通路がまた個性的です。
肝心のお湯は、あまり温泉を知らないので比較などはできませんが、四万温泉と近くにある沢渡温泉はむかし「草津のなおし湯」と呼ばれ、とても柔らかくて肌にも優しいそうです。積善館には大小内外角丸様々な風呂があり、どれも100%源泉掛け流しで、先月リニューアルされたばかりの露天岩風呂や、貸切風呂もとても良かったんですが、やはり最も特徴的なのは本館前にある「元禄の湯」です。トップ画像の1階部分にあたり、貸切状態だったので伽藍配置のように並べられた浴槽を次々に変えて入りましたが、浴槽の下からどんどんお湯が湧き出ては溢れていく圧倒的な湯量と、大正ロマンなインテリアの融合が何とも不思議な感覚の湯です。撮影禁止なので、積善館ウェブサイトより拝借しました。
お湯と同様とても楽しみにしていた食事ですが、こちらも期待を裏切らずとても満足でした。詳しい方によると、もともと積善館の料理は定評があったそうですが、料理長が移籍してしまった後の一時期はかなり落ちてしまったそうです。その後また新たな料理長がやってきて美味しい料理が食べられるようになったそうですが、長い歴史を持つだけにいろいろと大変ですね。個人的には少し前に「おにぎりあたためますか 群馬編」で紹介され、ぜひ食べてみたかった三年成熟系ニジマスのギンヒカリがヒジョーに美味かった。別途頼んだ地酒飲み比べセットはどれもちょっと好みとは違ったけれど、ギンヒカリと日本酒、最高です。
また、予想以上に良かったのが朝食で「飲泉がゆ」をはじめ夕食同様豊富な種類の料理はどれも素晴らしい味付けで大満足。ただ食後に欲しいなーと思った珈琲は別料金でした。 温泉経験が少ないために相対的な評価はできませんが、四万温泉に積善館、コストパフォーマンスも良くなかなかおすすめです。嫁もとても喜んでくれました。
ただ、千葉からの場合やはり関越自動車道は乗りづらいですね。行きは京葉道路市川ICから外環三郷までを、帰りは関越練馬からアクアラインまでを一般道で行きましたが、ともに結構な交通量=疲労でした。道路建設は失うものも大きいので、手放しで進めろとは言えないんですが、やはり外環が京葉道路もしくは湾岸まで来てくれないことには解決しそうにありません。まだ平日に行けるだけありがたいことですが。