先日、仕事がらみで電化製品を扱うメーカー、A社の取材に行った。
この仕事はいろんなメーカーさんの本社にお邪魔できるのが結構面白かったりするのだが、ここは想像とのギャップが今までで最も大きく、内部はもちろん、建物の顔であるエントランスまで予想よりも遥かに地味で、実直な印象をうけた。
だからというわけではないけれど、今回の異なる2製品ともに担当者の取材での印象は「とってもまじめ」で、自社商品に対する愛情がすごく感じられた。消費者にとって使いやすいもの、喜んでもらえるものは何か?という課題に真剣に向き合っている様子が伝わってくる。自社商品なのだから当たり前と思われるかも知れないが、中小企業ならいざしらず、大企業でこれほどまでのケースは実際稀だ。「働く人にとっても良い会社なんだろうなー」とすっかり見直してしまった。A社はどちらの商品ジャンルでもシェアは上位ではないが、こんなメーカーなら今後もし機会があれば積極的に検討してみたいと思った。
その取材帰り、電車で「シェアトップのメーカーはなぜずっとトップなんだろう?」とか「差はどこにあるんだろう?」など疑問がわいてきていろいろ考えてみた。なんとなく行き着いたのは「きっと開発アプローチそのものからして違うのかな。」というもの。シェアをもつというのは、いかに関心のない一般ユーザを多く取り込むかにかかっているので、商品開発の時にはまずそういったユーザが「刺さる」機能(要素)を割り出し、あとはひたすらその実現に邁進。要はそれらが詰め込まれていれば、多少機能のバランスやプライオリティが理想と違ってもモーマンタイ。完成すればその「刺さる」記号性を並べて宣伝すれば良いわけで、「良い商品なのに宣伝が下手だよね」とはよく聞くフレーズだが、トップシェアメーカーの製品は元々宣伝もしやすくできているというわけなんじゃなかろうか。まあ、ことはそんなに単純ではないだろうけれど、概してトップシェアメーカーの製品は使っているうちに「アレ?」と思うことや、商品価値に持続性がないことも多く、そこがマニアに揶揄されたりする。でも逆に言えば「刺さる」機能を達成させるパワーには凄まじいものがあって、そのあたりはさすがにウルサ型にも無視できないわけで、トップメーカーのゆえんなんだろうなと。そうすると「刺さる」ものをエンジニアに作らせる営業サイドの強いメーカーの方が、技術者側の強いメーカーよりも強いことが多いのも納得できたりして。
ただ、トップメーカーさんたちのおかげで、近年の工業製品、とくに趣味につながるクルマやカメラ、オーディオなどが実につまらなくなってしまっているのは確か。時代の流れはあるものの、そのあたりもうちょっとバランスがとれないものだろうか…と思っていたけれど、今回のA社の人たちと接して、ひょっとしてまだまだこれからかも…という希望も少し持てそうな気もした。
ということで、フォードは今のご時世、このまんまで良いのでしょうか。
エコと原油高の嵐の中、商品ラインナップに説得力がなさすぎます。
せめて欧州ラインを絶やさなければ良かったものの。
いや、拡大しておいてすら良かったのでは、とさえ。
FJLにナニか策を打って欲しいところです。このままじり貧で撤退なんてことになる前に。
主旨からズレてしまいましたが。
>>Team ST_Naoさん
なんだかFJLは「貧すれば鈍す」を地で行っているような感じさえしますよね。日本か、ヨーロッパか、アメリカのどれかの社長さんが変わらないと、進展はないんでしょうか。ヨーロッパの直営でも出せば面白いんですけども。
ジャンルに限らず、開発?の現場って得る楽しみってありますよね。イイですねぇ。
たしかに商品となると採算とこだわりって相反する場面は多いんですよね。 少数支持のことが多いし・・・・。難しい問題ですよねぇ。
シェアとSHUREを掛けたわけじゃないですよね?(^^;)
ホント欧州FORDは車は良いのに宣伝が下手だからね~・・・
トップシェア製品を否定はしないけど、裏切られる事も多々有るのは何故なんだろう?
売れてる=良い製品が成り立たないからか、オイラが変人かでしょうね(笑)
>>YUPAさん
ども、ご無沙汰です。まー何事も多かれ少なかれ妥協ですしねえ。やっぱり企業が大きくなってくると方向性の取り方が最大公約数的なモノになるんでしょうね。
個人の仕事でも、作品として実績に出したくないものがあるくらいですし…。
>>まきのりどの
いやー、か、かけてないっすよぉ~。
シェアがトップになっちゃうと、トップを維持することが目的になっちゃうんでしょうね。それって確かにトップは維持できるかもしれないけれど、でもそれって業界全体の活気がなくなっちゃう要因にもなるんですよね。