FORD CIRCUIT EXPERIENCE 3

さて、お次ぎは本日のメイン・イベント。フォーカスSTのハイスピード試乗体験だ。

サーキット走行の前にビギナーズレッスンを受けておこうかと思ったが、これは単純にC-MAXを使った縦列駐車の練習らしく、よく走行会であるらしい「走りの基本レクチャー」かと思っていた小生としては、目論見外れ。そのままサーキット走行に行く事にした。
それでもこれが自分の中では一番の目的だったために、最後の方にとっておきたい気持ちもあったが、時間が経つに連れて雨量も多くなるという予報もあったために、最初に持ってくる事にしたのだ。
ハイスピード試乗体験の楽しみは2つあって、ひとつはもちろん最新のフォーカスSTを運転できる事。もうひとつは来年F1が開催される事も決定しているこのFSWを走れる事だ。しかしなにしろサーキット走行は初めての事。どんな風に行なわれて、どの程度の速度で走るかがまったくわからないのでかなり緊張。10分前に集合なのだが直前にもトイレに行く始末。
走行時の注意点の説明を受けたあと、到着したクルマに乗り込む。自分のはオレンジに輝くフォーカスSTの1号車で、先導車のすぐ後ろを走行する。イベント解説には「プロドライバーのアドバイスを受けながら…」とあったので、てっきり助手席にインストラクターを乗せるのかと思ったら、サイドブレーキ下に無線機があり、先導車に乗った方が「ここのコーナーは時速50キロまで落とします」などの解説をしてくれる方法だった。
サーキットに並ぶフォーカスSTはなかなかカッコ良く、オレンジのボディカラーもフォルムに良く似合っているし、実際とても奇麗なのですっかり気に入ってしまった。

シートに腰を下ろすとレカロ製のそれは思ったほどタイトではない。位置合わせなどはサクっと決まり、指示通り準備ができ次第エンジンをかけ、ヘッドライトを点灯する。
しかし正直な話、緊張していてコース中程までフォーカスSTの印象は、ほとんど断片的にしか残っていない。先導車のラインを外すと後続車に迷惑をかけちゃうとか、色気を出して間隔を空けると先導車がスローダウンしちゃうとかあるので、まずはそれに専念しないと…と思っていた事もある。
走り出しす時にまず思ったのは、シフトが柔らかい事。もうすこしカッチリしてると思ったので、ちょっとビックリ。好みもあろうが、もう少し節度感はあってもいいかも知れない。
動き始めてからは、かなり動きがしなやかな事にビックリ。スポーツタイプというよりは高級車を思わせるしなやかさで、それはエンジンのスムース感も一役買っているようだ。乗り心地に関してはサーキットの路面がフラットなせいもあるのだろうが、それを差し引いても、とても18インチを履いているようには感じないものだ。
ピット出口でアクセルを踏み込むが、2.5リッター直5ターボはやはり速い。が、それ以上にフィエスタSTにも通ずるレスポンスの良さに感心。コースに入ってすぐ1コーナーのため減速。雨のためちょっとビビリつつ踏んでみるが、かなりコントローラブル。
1コーナーを過ぎた短い直線にはパイロンが並べられており、スラローム走行をするのだが、結構なスピードが出ていたにもかかわらず難なくクリアしていく。とにかく思い通りの動きをするのが楽しいし気持ちいい。
ピット裏のヘアピンを抜ける頃にはかなり慣れてきて、サーキットを走行している時の景色も楽しめるようになってきた。シケインも自分なりにちょっと試しつつ走ってみたけれど、フォーカスはびくともしないと言うか、どこまでも思い通りに動いてくれる。
雨もあって先導車もスピードは結構抑え気味（MAX120km/hくらい？）のようで、ブレーキング性能や、コーナリング性能の絶対値などは、試し切れないし、それ以前にフォーカスがもはや小生がどうこう言えるようなレベルではないのだけれど、ハンドリングやアクセルなどのレスポンスの良さや、的確な動きから来るリズムの良さ、次の状況を簡単に予測できるような姿勢の良さというのは、実に良く伝わってくる。やはり一般道でも乗ってみたい。今回のSTはカタログモデルのためか試乗車も多く用意され、これらがきっと後に販売店用に出回るだろうから、是非乗りに行きたい。
試乗も最後、ちょっと上りで奥がタイトな最終コーナーを抜けると、そのままピットロードに入るのだが、今回これが一番の不満点（笑）。メインストレートを加速して1コーナーに突っ込みたい欲望が…。もうあっという間の1周だった。あと2～3周でもできたらどんなに楽しいだろうか。とはいえ、最新のサーキットは市販車程度ではかなり持て余しそうだし、系列のマツダが買収したMINEなんかでやると楽しそうなどと思ったりもした。
さて、ランチはなんだろう？