ほとんど可愛がられていなかったような状況のSLと今日は少し対話をしてみました。
まずは洗車、汚れの目だたないシルバーとはいえ、ワックスも全然かかっていない状況だったボディに潤いを与えてみた。やっぱり違うもんです。しかも、これ、やっぱりカッコいい。低くて広くて鼻が長くてっていう、まあ、安直なところもあるのだが、その存在感もあわせて、素晴らしい出来ではないか。面の張りは現代のものとは違ってはいるもののかなりの質感があり、これはこれで満足のいくもの。
夜、いつものコースを走ってみる。5リッターV8でもさすがに 1.8トンのボディは発進時には重さを感じるが、いざ走り出すと思いのほかよく曲がる。軽快感がある訳ではないが、どっしりとしながらもぐいぐいと曲がって行くのだ。エンジンの調子はいいようで、なかなか滑らかだが、それなりに存在感があり、程よいバランス。それにしてもこの運転感覚は貴重だ。ある意味こんなクルマはもう出ないであろう。
新車時に1600万円したというだけあって、10年以上経っていてもなおステータスを感じる。本当はこれからがこのクルマの価値がでるのだと思うが、何しろ所有し続けるにもそれなりの費用がかかってしまう。持ち続けたいし、もし自分の今の愛車が500ではなかったら、多少の無理はしてもこちらに乗り換えるであろう。愛情がかけられていなかったとは言え、走行33700キロあまり、屋根付き車庫保管のワンオーナー、ディーラー車であるから、中古車誌に載せるとしたら「極上コンディション」と言えるであろう。ただ、エアコンが壊れているのと、運転席シートは一部裂けてはいるが…。