新しく買ったCDがあまりによかったので、久々のCDレビューというか感想をば。
最近も一応チョコチョコとコレクションを増やしてはいたのだけれど、楽器ができないとどうしても毎回似たり寄ったりの抽象的な記事になってしまうので、なんとなく書くことが少なくなってしまっていた。
今回購入したのは、ヨウラ・ギュラーという女性ピアニストの演奏する、ベートーヴェンのピアノソナタ31番と32番。
ベートーヴェンでは、28番以降の後期ピアノソナタがとくに好きなので、これまでにも何枚か持っていたけれど、どうもイメージ的に女性ピアニストというのは思い浮かばなかったし、ギュラーという人も全然知らなかった。でも、ネット上での好評価を見つけて俄然興味がわき、購入してみた。
以前から、詳しい人の間ではそれなりに定評のある名盤だったらしいが、このところ廃盤で入手困難な状況が続いていたらしく、CDにオークションで5000円以上の値がついたり、とある中古ショップではいまだに8400円で売られている。
今回購入したのは今年8月末に再発された輸入盤で、HMVで通常1266円で、”輸入盤CDどれでも2点買うと25%オフ” キャンペーンを使えば1055円と、非常に安い。安いけどワーナー系レーベルなので、心配はいらない。
このCDでは、31番、32番ともに素晴らしかったが、とくに31番にはその美しさにとても感動した。もともと、ベートーヴェンのなかで最も美しいとも言われている31番だが、まずピアノの音色が奇麗で引き込まれる。そして、ギュラーはかなりテンポを変えたり、強弱をつけたりする。自分はあまり過剰な感情移入は好きではないが、彼女の場合にはそれが全然わざとらしくなく、驚くほど自然に入り込んでくる。音楽のプロポーションが優れていると言えば良いのだろうか。全体の印象も純朴で、とても映画界から誘いが来るような美貌の持ち主が弾いているとは思えない。ただし、女性としての持ち味は十分に発揮していると思う。
結局またもとりとめのない感想になってしまったが、とにかくこの盤に出会えたのは幸運だった。ほかの演奏も聴いてみたいが、彼女の録音はきわめて少なく、それがまた美貌と相まって神秘的な見方をされるゆえんにもなっているらしい。たしかに、こんなピアニストがいてもいいかも知れない。
それは是非聴いてみたいものです。
ベートーヴェンの後期ソナタにはまだ手を付けられずにいます。敷居が高すぎて(笑)
でもいつか弾いてみたいです。
>>くみぴーどの
後期は弾いてみてもし気に入れば、一生つき合えるような曲たちかも知れないですねー。3年ごとに録音して比べてみるのも面白いかも?