そんなわけで、広島からは朝に帰宅したのだが、その日に届いたものがあった。Amazonで注文していた新しいレコード針だ。
今、針は4本あるが、中でもよく使っているのはオーディオテクニカの「AT150TI」というもので、主に秋葉原でしか扱っていない。9800円という価格の割には素晴らしい音を出すために、SHUREの「M97xE」を押しのけて我が家のスタンダードとなっていたのだが、そろそろ次の針を探していた。順当に考えればSHUREのV15あたりが良いのだろうが、例の友人も持っていて、同じではつまらないし、そもそも34800は高い(ユニオン価格)。
それなら今気に入っている150TIと同じカートリッジで針を強化した「AT150MLX」はどうだろうかと考えた。価格も21840円(ヨドバシ価格)。
箱を開けてまずは組み立て。なるほど、見た目はほぼ同じで、針の部分だけがかなり違った形状をしている。AT150TIと比較しやすいようにヘッドシェルとリード線を同じにする。そしていざ比較視聴!視聴盤はいつもの達郎のCOZY。
「もしかしたらそれほど差がないかも~」という予想をいきなり覆し、すばらしい音が出て来る!静かな部分はより静かにといった具合でコントラストがあり、全域を通して質感が高い。それでいてTIの持つ音の明晰さと高音の伸びは備えている。ただし性格はちょっと違って、TIの方がどちらかというと元気な感じで、 MLXは上品な感じ。
TIの方がそれなりに使い込んできているのと、新品の頃と慣らしたあとでは多少音質が変ってくる事などを考えなければならないが、倍の値段するだけの事はある。
説明書を見ると、平均寿命がTIは約300 時間でMLXは約1000時間だから、それだけでも元が取れるのだが(もうひとつのテクニカの針、AT150Ea/Gも300時間だからMLXの針が長いと見てよさそう)、いやはやアナログは奥が深い。しかし奥が深いからと言ってみだりに入るのは禁物禁物(笑)