サンライズ出雲/瀬戸が、東京駅を出発するのは22時ちょうど。
先に晩御飯を済ませておくくらいの発車時刻ではありますが、列車でお弁当を食べるのが何より好きな自分は、ランチを遅めに取るなどしてこの時に備えておりました。
総武線快速のホームから上がってくると、ちょうどGranStaに繋がる通路に出るので、いつもここでお弁当を選ぶんですが、嬉しいことに午後9時を過ぎると、多くのお店で3割引となり、かなりお安く仕入れることができるんです。
おかげでちょっといいお弁当を買うことができました。もちろん「はせがわ酒店」での日本酒購入も忘れてはいけません。場所柄小さいカップをつけてくれるのが嬉しい配慮。
サンライズでの検札は、まだ停車中のうちから行われるので、発車後すぐにお弁当を広げられます。食べ終えて、車内探検もひととおり済むと、もう0時。翌日は目一杯予定があるうえ、レンタカーの運転もあるので、あまり夜更かしはできません。今回は揺れを考慮してかみさんは下段で、自分は上段で寝ることにしました。
途中何度か頭の中でもうろうと「飛ばしてるなあ」という時があったけれど、「これは飛ばしすぎじゃろっ」と思うほど豪快に揺すられて、たまらず目が覚めたのが名古屋手前。北斗星より新しい車両で、保線もいい東海道線だしと侮っていましたが、120km/hくらい出してたんでしょうか。
それでも北への列車と違って、おなじみの路線、それなりに位置が把握できるのは安心感があります。
ふたたび眠りに入って、大阪くらいで起きたかったんですが、気がつくとすでに須磨を過ぎて、明石海峡大橋。陽が長い時期のおかげでバッチリと拝めました。もうここから上郡までは最近でも何度も通ったところですが、寝台列車からの眺めは一味違います。
朝の最初の停車駅は「姫路」で、5時25分到着。部屋と反対側にあるお城を見ようとデッキへ出たものの、ビルが邪魔してチラッチラッとしか見えないんですね。福山のようにはいきません。
祖母のいた有年を通過して上郡に近づくと、麦畑がひろがりとても素晴らしい眺め。以前、サンライズは上郡に停車していたと思いますが、いつのまにか通過扱いになってしまいました。
相生で別れた赤穂線が再び一緒になるとまもなく岡山です。
岡山ではサンライズ瀬戸(うどん)との切り離しがあり、せっかくのショーだからと見に行きますが、結構な人だかりで自分は階段途中から眺めました。
岡山で身軽になったサンライズ出雲は、倉敷から伯備線へと入り高梁川沿いに北上します。サンライズ出雲の車窓というと、つい宍道湖の見える進行方向右側がいいと思いがちですが、この高梁川の眺めは素晴らしく、この季節なら早朝に須磨浦海岸も見えることから、左側がオススメです。
3月のダイヤ改正から備中高梁駅に停車駅に加わりました。ここは備中松山城や頼久寺など素晴らしい名所があるので、またあらためて訪れたい場所です。
途中分水嶺の案内アナウンスがあり、高梁川は日野川となって、また日本海側目指して一緒に進んでいきます。
沿線には数多くのやま藤がみられ、また、生山駅付近では奇岩も。このように上に下に広がる光景もシングルツインなら存分に味わえます。
ちょっと雲が出てきましたが、右側に中国地方随一の霊峰、大山が見えるとまもなく米子。関東の人はつい「おおやま」と読んでしまいがちですが「だいせん」と読みます。
米子のあとは、宍道湖を見ようと10号車のミニラウンジへ。同じことを考えるひとが多いかと思いきや、終点が近いためかさほど人はおらず、じっくり楽しめました。
ただ、途中通ってきた「のびのび座席」、あれは開放的でいいですね。
両側の景色もフツーに楽しめますし、そういった意味では開放B寝台のようですが、こちらは寝台券がいらないタイプで、急行はまなすの「のびのびカーペット」に近い感じ。確かに個室寝台より居住性は劣るものの一人旅や姫路、岡山くらいまでの短い距離なら十分かもしれません。モーター音がどう感じるかなどは、乗ってみないとわかりませんが、こういうカジュアルな雰囲気、嫌いじゃありません。
こうして9時58分、定刻に出雲市駅に到着。あっという間の12時間でした。サンライズエクスプレスはリニューアルを始めていることから、今後もしばらくは残ってくれそうです。
LCCが勢力を拡大中で、寝台列車は贅沢なものになってきていますが、ノビノビ座席にレール&レンタカーを絡めれば、まだまだイケるんじゃないでしょうか。
昨年6月からの1年で北斗星2回にはまなす、カシオペア、サンライズ出雲とズイブン楽しみましたが、一応これにて一段落…かな?