先日、ついに我が家初のモノラル専用針を導入した。
「モノラル盤はモノ針で」とはよく言われるけれど、これまではなかなか導入には至らなかった。
ステレオ針に比べて針圧が高いがために、盤への攻撃性も高いのではないかと思っていたことや、手持ちのアンプ「DENON PMA2000IV」のMC切替スイッチがなんと背面にあって操作しづらいこと、モノラル盤の在庫自体がさほど多くないことが理由だ。しかもとてもマニアックな雰囲気もあって、ちょっと引いていたのもある。しかし、百聞は一聴に如かず、先日の視聴会で実際に聴いてみてその魅力に取り憑かれただけでなく、心配していた攻撃性もない、さらに価格も高くないとあっては、拒む理由などすぐに吹き飛んでしまった。
ちょうど誕生日前でもあったので、嫁におねだりして買ってもらったと言うわけ。Joshin Webで注文し、メーカー取り寄せだったけれど、1週間で届いた。その間、オーディオラックの棚板を移動してアンプとCDデッキの間隔を広げ、そこから手を突っ込んで、アンプの背面にあるMM/MC切替スイッチを操作できるようにしておいた。購入したのはオーディオテクニカのAT-MONO3/LP、友人の買ったものがDENONのDL-102だったためにあえて別の機種を選択、次の視聴会で聴き比べなどやってみたい。
さて、このAT-MONO3/LPだが、モノ針のなかでも針圧が2.0と低いのが特長。まださほど聴き込んでいないがエバンスのオリジナルなど、素晴らしい音で鳴ってくれる。緻密になったと言うよりも量感がかなり増したような感じで、音色もキラキラと色彩感のある雰囲気だが、ちょっとうるさく感じるケースもある。RIVERSIDEのオルフェウム盤などは、ステレオ針で聴いていた時と違って俄然輝きを増してくれるので、2軍からレギュラーに返り咲いたような感がある。月並みだが、もっと早く導入しておけば良かった。いつもながらこうした機会を与えてくれる友人には感謝感謝。もちろんプレゼントしてくれた嫁にも感謝。
欠点はと言えば、針交換が多少手間なので、ついモノ盤ばっかりを聴き続けることになる点と、今後比較してみなければ分からないが、5~60年代の古いレコードは、盤によって当時のような重い針圧でないとキチンと鳴らないものもあるらしい点。折角大枚はたいてオリジナル盤を買っても、ちゃんと鳴らないとは「そりゃないぜ」な話だが、このへんあまりハマると危険なので要注意。あとは間違ってSTEREO盤を再生しないように気をつけないと、もし、これをやってしまったら相当ヤバいらしい。
世の中ホームシアターの流れから5chだ、8chだ、サラウンドだと言われているけれど、モノラルでも十分に楽しめるわけで、チャンネル数の多さと音楽の楽しさが必ずしも比例するわけではないことは確かなようだ。