正直な話、自分は三菱自動車には潰れてもらっても良いと思っている。
個人の過ちは許せるけれど、あれだけの規模の企業の過ちは決して許されるものではないからだ。しかし三菱の新型軽自動車iを見て、これはそういった先入観はなしで評価すべきクルマだと感じた。
今までにも何度も雑誌で写真を見、外でもiを見かけてそれなりの感想は持っていたけれど、ディーラーに出掛けたわけでもないので評価はずっと保留にしていた。今回やっとグッドデザイン・プレゼンテーションで初めてまじまじと見る事ができたので、エクテリアデザインについてちょっと話してみたい。インテリアは思うように見られなかったのと、実際動かしたわけではないのでその辺りの評価はまた先送りと言う事で。
まず第一に最も素晴らしいと感じたのは「やり遂げた事」だと思っている。メカニズムもサイズもチャレンジングで、いろいろな思いや狙いがあっただろうけれども、見事にひとつにまとめられたカタチとなって完成されたことは評価に値する。逆に言えばそれだけ迷いの感じられるクルマが多いと言う事で、一緒に出品されていたストリームしかり、小生的にはとても残念だったロードスターしかりだ。
iの全体のプロポーションは、厳しいサイズ制限があるだけに完璧とはいかないまでも、それに対して無理に反抗せず、素直に取り組んできたことが結果的によかったように思う。この手のデザインはつい「やり過ぎ」になってしまいがちだが、そうならないようにうまくマネジメントされているのだろう。
各部に目を向けると、ヘッドライト周りの各エレメントの配置などには、非常に優れたバランスが感じられる。どの間隔にも適度な緊張感と統一感があって、とてもきれいだと思う。
弧を描いた特徴的なサイドラインは、わざとらしくなるギリギリ手前のところで留められ、どこかに無理がかかったようなカタチになる事を回避しているし、ドア断面はとても繊細で丁寧に磨き込まれている。ただ、全体がちょっとフロントオリエンテッドになりすぎたために、若干リア周りがとっちらかったような印象があるが、それは些細な事と言えるだろう。
それよりも小生が気にするのはそのカラカラに乾き切った雰囲気だ。これを「都市型」と言えばそうなのかも知れないが、実際のはなしやはり街には合わない。目立つと言うよりは浮いていると言った方が合っているだろう。
それと、このクルマの印象として「コンセプトカーのよう」とか「未来っぽい」という言葉が浮かんでくるのではないだろうか。「コンセプトカーっぽい」というのはつまり、モノとして多少弱いことが多く、確かにそんな感じもある。また、「未来っぽい」の未来はあくまで昔考えられていた未来であるから、当時描かれた人類の発展的未来像ではあるかも知れないが、実際の社会ではあまりに内容の薄い精神性の欠落したモノのように捉えられなくもない。
三菱はiで実にハイレベルなデザインの商品を完成させはしたけれど、このクルマづくりに足りなかったのは、iを世に出す事によって、世の中を、社会を、ヒトをどんな風にしたいのかと言うビジョンだったのではないだろうか。とはいえこういった見方はあくまで個人的なもので、実際は小生もこういったクルマが売れてくれれば、他社のクルマ造りも変わってくるかも知れないと言う期待もある。
先進的なデザインで世間をあっと言わせた「i」。オフクロの車を検討する際に軽で唯一買ってもいいかなと感じた車が「i」でした。
でも「i」の実車は・・・・。
ホイールベースが2m足らずのsmartよりも直進性が悪くハンドリングはダル。必要以上に軽すぎて落ち着かないし。。
営業マンに言わせると「リアエンジンですからねぇ」と。同じリアエンジンのsmartの驚くほどのガッチリ感はなんなんだ!と言いたかったですよ。
また常に乗員全員がヒョコヒョコ揺すぶられている感じでとても長距離を走る気になれなかった記憶があります。
そこかしこに「smart」のニオイがするのは致し方ないですがあの体力で「i」を生み出した三菱には今後の熟成を頑張ってもらいたいですね。
お疲れ様です!三菱iを見ると自動車デザイナーの理想の一つのカタチなのかなと実感いたします。エクステリア・インテリアともにシンプルで特に主張という主張な表現はしていないのですが、カタマリで魅せるデザインは本来、三菱が描きたかった未来を素直に表現したのかなと推測できます。
ヨコモンさん>>
ヨレヨレでしたか…。あとは視界などが実際どうかは気になります。
それと確かにsmartの影響を考えると、三菱がこのクルマ以降デザイン力を持続できるかどうかと言うのも注目ですね。
しょっぱーずさん>>
おそらくデザイン学校の生徒にスケッチさせるとこういうのいっぱい出るんじゃないかと思うんですよね。つまりクルマのデザインってのはまた別の部分が大事なんじゃないかなと。
実を言うとこの形、結構好みの部類に入るんですが、同時に「これ受け容れちゃったらダメだな」との思いもあるのです。
シルエットの作り方やカタマリ感なんかはいいんですが、ディテール処理やなんかが、日曜朝の特撮ヒーロー番組に出てくるメカみたいなんです。
それは、自動車のカッコよさとは別のものだし、ちょっとチャイルディッシュなんじゃないかと思うわけです。
機械としての側面は、僕も運転してないのでコメントできません(笑)。
堕民さん>>
ちょっと飛び道具満載なので、デザインの本質的なところが隠れてしまっているようにも思えます。なんにしても今後の作品次第で真価が見えてくるかと。
街乗りとしての機能を果たすだけであれば、充分なクルマです。私的には国産車ってこんなものなのかなと思っているフシがあるので、コレはコレでホントに良くできていると思います。
欧州車と比べたら…?
ゴメンナサイお話になりません。と言う感じです。
でも、嫌いじゃないです。ゆるゆる走る車。ボディに似合いの走りをするという意味でも合格。
カッチリな走りを望むであればどだいコレではムリですが。
実際、オーナーである母親は満足していません。ランエボワゴンでも乗せておいた方が遙かに喜んでいたかも。
ヨーコさん>>
満足してないと言う意見がちゃんとあるところがなかなかレアですねー。でもiはデザインで、スイフトは走りで他のメーカーに影響を与えていると思うんです。今後の国産車にも期待したいところです。
あ“。。。(*_*;
ヨーコさん、お母様お乗りなんですね・・・。
なんか私のコメント「i」に対して辛口ですが軽だったらコレしかないって結論でした。
如何せん比較対象の前車が6Nポロ(1.6)で数年前はsmartフリークでBRABUSまで乗ってましたのでついつい厳しい見方となってしまいました(^_^;)