フォードのモニターキャンペーンで借りているフォーカス2.0の印象その2。
さて、いよいよ走りの印象だ。出だしはかなり良く、雨の上り坂では軽くホイールスピンしそうなくらいで、これは大柄なフォーカスに軽快な性格を与える事に成功している。発進後のシフトスケジュールも秀逸で、ショックを一切与えずに思った時に思った分だけ加速してくれる。名前だけで採用されたダブルウィッシュボーンより、よくチューニングされたストラットの方が遥かにいいのと同じで、とくに4ATだからダメなどという面は感じられない。スペックに表れない部分を明らかにしてこそ評論家だろうに、彼らが自らスペックに頼った評価をする意味が理解できない。ただし、4ATがいくら優れていると言っても、5ATを積むのがムダというのではなく、4ATでこれだけの仕上げができるのなら、それこそフォードで煮詰めた5ATを早く搭載する努力は続けて欲しい。キックバック時に回転が上がって室内に入ってくるエンジン音は、シフトショックがないだけに唐突な印象があって少し気になる。多段化してより細かく制御できればこういった事も解消されるものだろうか。
思いのほか軽快な印象のフォーカスだが、先代とは少し印象が違って、よりキャパシティを与えられた足回りと、それを受け止めるためのより剛性感を増したボディ側との仕事が明確に分けられた感じと言えば良いだろうか。この辺は素人なので曖昧な表現をお許し頂きたい。足回りの余裕は、205/55R16という結構大きなタイヤの質量をまったく感じさせないことからも伺えるし、とにかくスローペースでもハイペースでも乗り心地がいい。普段フィエスタで跳ねる箇所を、何もなかったように通り過ぎてしまう。スピード感もないので、例えば交差点で曲がる時、十分減速したつもりでも実はまだ落ち切っておらず、ダイナミックなコーナリングを披露してしまった時もあった。一方乗り味としてはもう少し落ち着きと言うか、ドッシリ感があっても良い気もする。とは言え、まだ1500km足らずの走行距離のため、足回りはまだまだ本調子でないだろうし、Cセグメントのクルマなのであまり重厚である必要もないかも知れない。
少しペースを上げると、広いトレッドのお陰か、高速コーナーは驚きの速度でクリアしてしまう。姿勢も安定しており、スピードだけならフィエスタST以上だろう。その分タイトコーナー(とくに下り)はボディの重さを感じさせ、ちょっと苦手。ただそれはあくまで300kgも軽いフィエスタSTと比較しての話。
ステアリングの初期応答はクイックで、その後の挙動も一定してるので安心感が高いが、少し軽すぎるかも知れない。ちょっと落ち着かないような感じもあった。
ブレーキは最近のクルマに多い、大げさにサーボを効かせたようなものではなく、それなりに踏み込むストロークをとっているタイプだが、その分コントロールもしやすい。高速から強めに踏んだ時の挙動もよく、ボディ全体が沈み込むように減速する。ただ、これは個体の問題だと思われるが、ブレーキを踏み込んで停止前に徐々に緩めているとき、いきなりペダルを離したような挙動でガクッとブレーキが抜けたようになってしまう。不特定多数のモニターが使っている事や、広報車上がりなら激しい運転の影響なのかも知れない。
エンジンはフィエより車体もエンジンも大きいのにフィエと同じくすごくよく回ります。ふけ上がりと変速はとてもなめらかで,まったくストレスは感じませんでした。しかし1速のギア比のせいなのか,パワーを持てあまして発進時にタイヤが空回りしたり急に飛び出す感じになるときもあり,コンフォート性を削いでいます。また,よく回るエンジンやギア比になっていることもあり(速度や状況ごとにフィエと非常によく似たフィールと回転数!),常にエンジン音が大きめでコンフォート性よりもスポーティな味付けを好むユーザーを選ぶものになっているような気がします。
4ATはふけ上がりや変速のなめらかさのせいで,一部の論評のように常用域で違和感を感じることはありませんでした。しかし,高速に乗ると5速が欲しくなります。パワーを使いきり,騒音を下げるために多段化が有効そうに思えました。
ブレーキは足回りはフィエとよく似て自然でなんの不満もありませんでした。荷室は開口部が広すぎてゴルフバックやトランクを乗せない限りは小物の整理と固定に気を配る必要がありそうでした。
れいんさん>>
確か100km/hで2500回転だったので、5速になっても間を埋めるだけかも知れないですね。遮音のレベルそのものは悪くなさそうなんですけど、エンジン音はどうも感じますね。音質をチューンすれば解決できるでしょうか。