もともと雨の予報だった11日は一転して晴れになるとの事で、帰るだけだった予定を急遽変更する事にした。
10日が雨になって結局大阪に行っただけだったので、これはどこか行かないと勿体ないと言う気がしたからだ。備前から眺めのいいとされている「岡山ブルーライン」を通って宇野に出て、直島に行こうかとも考えたのだが、東京とまったく反対方向に行くのは、時間的に厳しそうなのと、あまり下調べをしていない状況での直島は空振りに終わりそうな気もしたので、播但連絡道を北上して香美町はハチ北高原にある、安藤忠雄の木の殿堂に行ってみる事にした。
安藤忠雄と言えばコンクリートの打ちっ放しが想起されるが、ここは木を題材にしたところということで少し興味があった。播但連絡道終点の和田山から国道9号線の山陰道をしばらく走るが、かなり手前から木の殿堂への看板が出ており、迷わず到着する事ができた。かなりの標高にあり、それまでのワインディングもまたフィエスタで楽しめるものだった。
この木の殿堂は1993年「森と海と太陽」をテーマに建設されたものだそうだ。
使い勝手に関してはまあ、置いておくとして、安藤建築らしく中をぐるぐると回されてしまった。建物の中でもなお、森の中にいるような力強い柱の構成と木漏れ日のような光線はとても新鮮でかつダイナミック。テーマの具現化の点に於いてはなかなかのものと言えるのではないだろうか。
また、シフォンケーキのような形の建物にしても、全体の大きさに対する開口部の大きさの比率や、通路の幅や長さのバランスなどは、非常に念入りに計算されているようで、相変わらず美しいプロポーションを構成し、他の安藤建築同様高い緊張感を生んでいる。このあたりの常に一定以上のクオリティーを維持し続けている事はとても素晴らしいと思う。
しかし、もっと高い比率での木造建築にはできなかったものだろうか。これではいつものコンクリート建築に木の化粧をしただけというイメージも拭えない。また、メイン建築をはじめとして、周辺の構造物がいつものように幾何学形態で構成されているために、航空写真などで見ると、宇宙アニメや特撮などでみられる、惑星に張り付いた基地のような感じもあって、幾何学系とは本来無縁の自然界との調和の点で多少疑問は感じられなくもない。
とはいえ、館内の係の方もとても親切だし,駐車場も無料。今後もここを訪れた人たちの憩いの場として活躍してくれたらと思う。
建築というテーマで見るとこのあと向かう豊岡市にある植村直己記念館のものがいいそうだが、その時は情報不足で立ち寄れなかった。次回機会があれば訪ねてみたいところだ。
広島に居た時は何気に新幹線の車窓から眺めてた播州地方ですが、様々な趣のある場所があるんだな~と言う事をブログを拝見して、発見できました。以前、「THE MASTERPIECE」を読む機会があり、EUNOS500の塊が映える場所はどこなのか気になっていたのですが龍野市なのですね、この町並みいつまでも残ってもらいたいです。
しょっぱーずさん>>
山陽新幹線はトンネルも多くて捉えどころがないですよね。でも西日本はやはり歴史が満載ですので、そこかしこに見所はあるようです。
MASTERPIECEはお恥ずかしい。あそこに友情出演しているKaがうちのです(笑)