千葉市美術館がまたやってくれました。
酒井抱一生誕250周年の今年、2月には出光美術館や畠山記念館で抱一作品を中心とした琳派展が催され、とても楽しませてもらいましたが、芸術の秋に相応しい真打ちが待ち構えておりました。
5年もの準備期間を要したという千葉市美術館の抱一展は、今回姫路市美術館や京都の細見美術館との共同開催で、338点にも及ぶ江戸琳派作品を網羅、小林忠館長の影響力のほどがわかります。5週間の展示期間のなかで、途中展示替えがあることから、まずは前半の展示を…というわけで、昨日いつものごとく妻と行ってきました。ちなみに会期中前回のチケットの半券があれば、2回目は500円の割引価格で入場できます。
抱一に関しては、これまで繊細で静寂感があって、色彩と構図に優れているがちょっと箱庭的…みたいな感想を個人的に持っていたんですが、今回は数多くの個人蔵のものがあったためか、そのようなイメージとはちょっと違った、蕭白風のものや若冲風のもの、そして浮世絵など様々な抱一があって、とても楽しめたのと同時に相当頭が疲れました。
ただ、今回個人的に関心を引いたのは、メインの抱一よりもむしろ鈴木基一の方だったかも知れません。これまでもうひとつとらえどころのない印象が強かった基一でしたが、確かな技術に裏打ちされた明快な表現が、いい結果を生み出した作品が多かったように思います。
それにしても…あれですね、琳派作品はモチーフを踏襲しているものもかなりあるためか、こうして数多くの江戸琳派作品を見たあとでも「ああ、俵屋宗達の作品が見たいな…」と思ってしまうのはなぜでしょう。
ところで、展覧会と同様、図録もとても力の入ったもので、ただでさえ多い作品点数に詳細な解説がついて500ページもの大図鑑となっています。 これで1冊2800円なのですから大変お買得!後半展示予定の作品なども眺めながら余韻に浸りたいと思います。