30日は高校時代からの友人N氏が遊びに来てくれたので、またまた試聴会。
今回の目玉はレコードではなく、彼の持って来てくれた針。なんとSHURE V15のTypeIII~Vまでを揃えて持って来てくれた。SHUREのV15と言えば、レコードを聴くものにとって、ステレオMMカートリッジの中では名実共に人気の高い逸品。小生だってもちろんこれが欲しいのだが新品を買うと35000円くらいしてしまうし、技術の進歩もあるだろうと言う事で現状ではオーディオテクニカのAT-150MLXに甘んじている。でもこの針の実力も侮れない。これも交えて比較検証を楽しんだ。
オーディオはなんでもそうなのだが、例えば電気屋で聴いて感動してそのまま買って帰っても同じ音は出ない。単品ならもちろんほかの機器との相性もあるし、設置方法や家の作りによっても大きく影響されるらしい。一番良いのはスピーカーだったらスピーカーを借りて家のシステムと繋ぎ、聴き慣れたレコードを再生してみるのがいいのだが、なかなかそうもいかない。レコード針は小さいので持ち運びやすいと言う事もあるが、今回のように、こうして持って来てもらえると、実際自分が買う時にどんな音になるかが分かるのでとても有り難い。
小生もとくに詳しくはないのだが、V15のタイプIII、IV、Vはそれぞれ70年代、80年代、それ以降に生産されたもので、それぞれの針に互換性はないということだ。発売年に相応しく、タイプIIIはJazzのしかもヴァン・ゲルダーのような管楽器が前に出てくるような録音向き。レンジがさほど広くない感じといえばいいだろうか。どこか懐かしくてのどかな音色だ。IVは70年代JazzやFusionなどに向いていてエネルギー感があり、グルーヴィーな雰囲気を上手く引き出している。シリーズの中では一番潰しがきくというか、小生のライブラリに合っている感じ。がっくり来たのはタイプVで安いステレオで聴いているような平坦でドラマ性のない雰囲気。ロックや80年代以降のドンシャリにはいいのだろうか?少なくとも小生が35000円も出して買う事はないだろう。
テクニカの針はやっぱりトータルとして硬め。でも日本人向きと言えばそうなのかも知れない。高音がクリアに出て、余韻なども美しく、立ち上がりも鋭い。個人的にはこのテクニカの150MLXとSHUREのタイプIVの2本立てで、ちょこちょこ交換しながら聴くのが楽しそうだ。
しかしこういった楽しみ方はCDでは到底出来ない事で、面倒と言ってしまえばそれまでだが、アナログって言うのはいいものだなあと思い直した。
N氏には今後MCカートリッジなど試してもらいたい。モノ針もあるが針圧が高くてレコードにダメージを与えそうな気もするのでこちらはまあ、まだいいような気もする。