いきなりの発熱で書きそびれてたんですが、4日に長谷川等伯展に行ってきました。
没後400年を記念して催された展覧会ですが、前から行こうと思っていたので、早くからペアチケットを安く入手、おトクに鑑賞できました。
国宝や重要文化財の公開が年2回、延べ60日以内とするルールがあるそうで、これによって京都と2カ所で行なわれるこの等伯展の会期はわずか30日足らず。「また混むんだろうなー」と覚悟していったものの、大琳派展の時ほどではありませんでした。お天気の影響もあったでしょうか。
さて、展示はほぼ年代順に並べられ、例の「松風図屏風」がトリを飾るんですが、個人的には最初に「松風図屏風」をドーンと見せて、ここに現れている様々な技法や個性のルーツを辿っていく…というような感じで、年代を遡って見せていくのも面白そうだと思いました。
長谷川等伯はもちろん疑いもなくスゴい人なわけですが、宗達のようにきらめく天才!と言うよりは、勉強と努力のヒト…というイメージがあります。仏画的構成や精緻さ、また水墨画的な筆運び、そして狩野派的な技法などをひとつひとつ吸収しては昇華させ、最終的には独自の素晴らしい空間や質感を描いていった…というその流れが分かりやすくなるような気がします。
あの、お猿さんブラ~ンの「枯木猿猴図」も素晴らしかったですし、秀吉が幼くして亡くなった我が子鶴松の菩提を弔うために建てた寺に収めた「萩芒図屏風」には結構感動しました。これなどは本で見るより断然いいですね。ほかには橋をデーンと描いた「柳橋水車図屏風」や「山水図襖」が気に入りました。
毎度の事ながらこの東博の特別展は、もの凄い量の情報が一気に脳に流れ込むので、すっかり疲れきってしまいますが、内容には満足です。大判で350ページに及ぶ立派な図録ももちろん購入、たった2500円というのが嬉しいですね。
帰りがけに買ったうさぎやのどらやきがまた美味しかったこと。
先日、特集番組を観ました。やっぱり出る杭打たれる。の典型的な犠牲者ですよね。もっと伸び伸び描いていたら、新しい表現を模索するような画家だけに晩生はどんな絵を描いていたんでしょうね?
>>YUPAどの
ご長男を早くに失ってしまったのが痛いですね。現代じゃ狩野派が「あまり面白くない」と評価されているのを、等伯はどう思ってるでしょうか…。